2018/05/13

ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集

ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 (文春文庫 む 5-15)
村上 春樹
文藝春秋 (2018-04-10)
売り上げランキング: 911
kindle版
■村上春樹
本書の単行本は2015年11月21日文藝春秋刊。それに最後の章を追加した、2018年4月10日刊の文春文庫を底本とした電子書籍版。

村上春樹の書く紀行文に外れ無し、と個人的に思っている。小説は内容に好き嫌いがあったりするし、エッセイは気軽な読み物に徹したものが多い。紀行文はかなりシリアスなものもあるし、エッセイ風のものもあるが、変わった場所に変わった動機で行かれることが多いのでその「テーマ」だけでまず面白い。
今回の紀行文は結構軽めのタッチが入ったものだったから気軽に楽しめた。
1週間以上かけて、1章ずつ、少しずつ読んだ。最後のあとがきによって、近年書かれたものをまとめたわけじゃなく、20年くらいの間にちょこちょこ書かれたものを集めた紀行文集だとわかった。そう言われてみれば、最初のボストン1は雰囲気が違ったかな?

かるーい調子で書かれているけれどもやはりわたしの少ない語彙には無い熟語がたまに出てきたり、ちょっとブンガクっぽい描写があったりする。なんのかんの言ってもキャリアある作家だよなあと頷きつつ電子書籍ならではの便利さで意味を確認。【稠密】チュウミツとか、実生活で使うことあるかなあ。あと熊本に来ると書いて【来熊】ライユウ、って読むらしいけど初めて知った。

ユーモラスなジョーク?みたいな言い回しが結構な頻度で出てきて、まあもともとそういうひとだったかな、でも「おじさんぽい」特徴と言えなくもないかな、とか思ったり。「太田胃酸を世界遺産に」とか随分ベタなやつを出してきたな、さらりと流すべきかなとか思っていたらもう一度念押しで出してきたりね(村上さん…)。

【目次と初出】
チャールズ河畔の小径 ボストン1
「太陽」1995年11月号臨時増刊CLASS X第2号「チャールズ河畔における私の密やかなランニング生活」

緑の苔と温泉のあるところ アイスランド
「TITLE」2004年2月号 東京するめクラブ 特別編「アイスランド独りするめ旅行。」

おいしいものが食べたい オレゴン州ポートランド/メイン州ポートランド
「AGORA」2008年3月号「二つのポートランド」(前編)「AGORA」2008年4月号「二つのポートランド」(後編)

懐かしいふたつの島で ミコノス島/スペッツェス島
「AGORA」2011年4月号「ギリシャのふたつの島」

もしタイムマシーンがあったなら ニューヨークのジャズ・クラブ
「AGORA」」2009年11月号「Live Jazz in New York」

シベリウスとカウリスマキを訪ねて フィンランド
「AGORA」2013年7月号「フィンランディア讃歌」

大いなるメコン川の畔で ルアンプラバン(ラオス)
「AGORA」2014年10月号「大いなるメコン川の畔で」

野菜と鯨とドーナッツ ボストン2
「AGORA」2012年4月号「ボストン的な心のあり方」

白い道と赤いワイン トスカナ(イタリア)
「AGORA」2015年6月号「トスカーナ・白い道と赤いワイン」

漱石からくまモンまで 熊本県(日本)1
「CREA」2015年9月号「熊本旅行記」

「東京するめクラブ」より、熊本再訪のご報告 熊本県(日本)2
「CREA」2016年12月号「「東京するめクラブ」より、熊本再訪のご報告」

あとがき/初出