2017/07/28

ラジ&ピース

ラジ&ピース (講談社文庫)
絲山 秋子
講談社 (2011-10-14)
売り上げランキング: 472,108
kindle版
■絲山秋子
先日の講談社ポイント還元セールに買ってあったもの、夏休み代わりの有給休暇の午後に読みはじめたら魔法の様に引き込まれてあっというまに夕方読了。
それもそのはず、kindleで1270頁しかない。短い。
表題作の中篇と、短篇「うつくすま ふぐすま」が収録されている。

2008年7月単行本刊、2011年10月文庫版感の電子書籍版。

久しぶりに絲山さんの小説を読んだけど、やっぱり上手いな。
そしてやっぱり「全然違うんだなあ根本的な性格とか考え方や生き方が」としみじみと思った。だいたいが主人公の思考や言動に驚きながら「つぎはなにをするのだろう」と小さくおののきながら(?)読んでいる。でも面白い。

今回は群馬が舞台の話ばかりで、2006年から群馬県高崎市に住んでらっしゃるその経験が活きているんだろう、と思われる。
群馬についてなにひとつ知らないので想像だけど。
FMラジオのラジオパーソナリティが主人公なのだけれども、読了後ググったら絲山さんもラジオ高崎でパーソナリティをされているそうで、だからリアリティあったんだな。
これも自分がラジオパーソナリティについて知っているわけでもないので想像だけど。

リスナーのひとりのおじさんに電話をかけて、毎週あちこちに出掛けるようになって、なんでそんなことするのかなあ、このおじさんは家族いないのかなあと思っていたら妻帯者だったので「えー」と思ったけどおかしな関係になる前におじさんが転勤になってまあほっとした。

「うつくすま ふぐすま」の主人公の考えていることはそれこそ宇宙人並みに自分と違って、へええええ、そういう考え方のひともいるのか、と思った。っていうかそこまで相手の男性を馬鹿にしててなんで付き合えるのかなあ? 絲山さんが賢くて甲斐性があって男前(この表現もジェンダー的にどうかと思うがニュアンス的にこれがぴったりなのであえて使う)過ぎるんだろうなあ。

いまはラジオを聴く習慣が生活の環境的に無いんだけど、どっちかっていうとテレビよりラジオが好きな人間なので、ラジオの話は好きだ。でもラジオの話って云うとふつうは「ひととひととの厚いあったかい交流」がテーマになることが多いと思うしそういう濃厚さが深夜ラジオなんかにはあると思うんだけど、これはFMということもあるのか、いやいや絲山さんの性格が大きいと思うんだけど、まー見事にそこを否定してくるんだもんなあ。

でもなんだか一時の絲山さんの作品にあった不健康な感じが減って、健康的な(?)清々しさがあって、よかったと思う。