2017/07/26

怪獣記

怪獣記 (講談社文庫)
怪獣記 (講談社文庫)
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講談社 (2016-05-13)
売り上げランキング: 3,361
kindle版
■高野秀行
本書は2007年7月講談社から書き下ろし単行本として刊行、2010年8月文庫化の電子書籍版。
電子書籍版では解説は割愛されている。見たら、宮田珠己だそうで、うーん、読みたかったなあ。

今回はトルコ「ジャナワール」探しの探検の旅。
「ジャナワール」は未知動物もしくはUMA(Unidentified Mysterious Animal:未確認不思議動物)といわれるもののひとつだそうである。
そういう方面に関心がないので初めて知ったが、UMAファンの間では有名で、「メジャー」だそうだ。

吉村昭や佐多稲子など比較的硬めの作風を続けて読んだ後に久しぶりに高野本を読んだらのっけから高野さんが同好の士とUMAの話題でアツく電話でしゃべっていたりして、なんだか暑いさなかに冷えた生ビールをぎゅぎゅっと呑んだような、脳内がぱっかーん♪ と音を立てて開くような、そんな感覚がした。
ちなみにわたしは後述の森清氏と同様、UMAを信じていないほうである。
UMAの本だから読んでいるわけではなくて、「高野秀行が書いた本」だから読んでいるのである。

最初は乗り気ではなかった高野さんだったが、なんだかんだで現地に飛び、調査・聞き込みをするのはいつものことだが、なんと今回は終盤になってちょっとびっくりするような事件(?)が待っていた。
特にそのときの著者の心の動き、旅の終わりにかけての周囲の反応・展開も興味深かった。
実際は、そんなふうなんだ、と非常にリアル。
それが何かは、読んでのお楽しみ。

旅のお供はお馴染み講談社のカメラマン、森清さん。
そして慶応大学文学部大学院生(当時)の末澤寧史さん。
現地ガイドはエンギンさんと、コンビで車の持ち主兼ドライバーのイヒサンさん。
この5人の珍道中(?)はなかなかウマが合っていて、気持ちの良いひとばかりで、面白かった。
高野作品の中でも現地ガイドでこれだけ良い感じなの、珍しいような?

目次
第1章:驚きのUMA先進国トルコ
第2章:ジャナ、未知の未知動物に昇格
第3章:天国の朝
第4章:謎の生物を追え!
エピローグ
あとがき/文庫のためのあとがき