2017/06/10

間取りと妄想

間取りと妄想
間取りと妄想
posted with amazlet at 17.06.10
大竹 昭子
亜紀書房
売り上げランキング: 38,595
◆大竹昭子
この小説については私的には「ツイッターで存在を知って購入に至った初めての本」ということになる。ちなみに発信元の書籍編集者の方をフォローしているわけではなくて、別の作家さんのリツイートによって知った。
初・大竹昭子さんだし、初・亜紀書房の本だ。
初めて尽くしの中、装丁が名久井直子、という名前を確認してなんだか「うははっ」。イイ仕事してるなーやっぱ。この青い図面風表紙。青焼きっていうの?

間取り、にそんなに執着は無いけど、変わった間取り、はかなり好きだ。というか変わった家とかが好き。
こんな本を買ったりするくらいには(『間取り図大好き!』)。

本書は短篇集なのだけど、全部の話の最初にちょっと変わった家の「間取り図」が付いていて、その部屋に住むひとについての物語が描かれている。間取りにだけ惹かれて著者のことも何も知らずに購入したのだけど、読んでみたら不思議な雰囲気あり、ちょっと色っぽい話あり、読むともっと踏み込んだ続きが知りたくなり、次の話を読んでもまた全然違う話でああそうか、連作とかじゃなくてまったく独立したお話たちなのだ、そりゃそうか、変わった家の住人達がみんな繋がってるとか不自然だもんなとか思ったり。恋愛が絡む話が複数あるが、それも色んなカタチがあり、ちょっと変化球。
間取り図は原案を著者が描き、それを建築家でもあるイラストレーターたけなみゆうこさんがイラストにしたという(大竹昭子のカタリココより)。

最後の「夢に見ました」は書き下ろし。
そのほかの作品は、亜紀書房ウェブマガジン「あき地」に2015年8月から2016年12月まで連載されたものを大幅改稿したものだそう。
「夢に見ました」は著者の実話?エッセイのような、小説のような。幼い頃、間取り図に興味をもったきっかけから始まって最終的にはバナナの形状に魅せられるところまで。うーんバナナかー。最終回のこの図面はバナナだったのかー。
間取り図だけを集めた別紙が挟み込んである。

眠る前に1篇、今日は2篇と少しずつ数日かけて楽しんだ。良い本だった。

目次】と、一言感想。
船の舳先にいるような
→こんな家ってアリ? 玄関入ってから部屋までが長細い廊下とか。面白いなあ。そう思って読んでいたらこの家の肝はそこじゃなかったという…。

隣人
→最後の語り手の二人の微妙な空気で終わるところが、なんだかいろいろ考えさせられて余韻があった。悲しい結果になってしまうのかなあ…。

四角い窓はない
→まさかの色っぽい展開に「のわー」。

仕込み部屋
→打って変わってこれはホラーチック。当たり前だけど全然共感できなくて気味が悪かった。

ふたごの家
→怖い話の次に読んだのでこれもちょっとその余韻を引きずってしまい、双子の言動にびくびくしてしまった。

カウンターは偉大
→お色気系、っていうかそれは犯罪なんじゃないのか。気持ち悪いよー。

どちらのドアが先?
→猫に負ける女の話。恋愛もの。

浴室と柿の木
→隠し窓とかその発想は好きなんだけど、動機はそれか! 気持ち悪い変態オヤジには鉄槌がっ。

巻貝
→勝手な想いから勝手に失恋しているバカ男の話。この図面と話は何が面白いのかなあ。

家のなかに町がある
→最初に図面をじっくり見て、話を読みながら「え?」と思って、話の展開に「そうだよなあ」と。ちょっとミステリチックで、江戸川乱歩っぽい空気も少しdけどあって、面白い。やっぱ複雑な建築はイイネ!

カメラのように
→地下室のようで地形の関係でそうではないという部屋のある家。この話の最後の部分はよくわからないなあ、なにか言おうとしてるんだよね…。語り手が意外に若いのにびっくりした。

月を吸う
→こういう部屋を「レールロード」というらしい。恋愛もの。

夢に見ました
→夢に出てきた夢の様に不思議で面白い部屋の話。著者の実体験を書いてあるんだろうか?