2016/06/07

ちょっと早めの老い支度

ちょっと早めの老い支度 (角川文庫)
岸本 葉子
KADOKAWA/角川学芸出版 (2015-11-25)
売り上げランキング: 315,947
kindle版
■岸本葉子
これもkindleポイント還元セールで¥552円のポイント¥110pt(20%)だったので買ってみた。内容も、「ちょっと早めの」よりもさらに「早いかな」とは思ったけどまあ、いつかは来ることなので予習は早くて悪いことも無かろう、と。

本書は2012年にオレンジページから刊行された単行本に加筆修正のうえ文庫化したものの電子書籍版。1961年生まれの岸本さん51歳の時の刊行。文中でも「五十代」という表現が何度か出てくる。わたしは岸本さんの13歳下。
で、読んでみての結論だけど、やっぱちょっとなんぼなんでも早すぎた。でも「いまからでも早くないよ」といわれるよりは「早い」といわれたので安心したというか。あと、これから進んでいく道について先輩の日常から出たいろんな細かいアドバイスが「そうだろうな」とごく自然に納得できる無理のない自然なことばかりなので、参考になる。あんまり意外な「それは教えてもらわないとわからなかった」というようなレベルのは無いんだけど。
若いころはモノトーンとか渋い系が好きだったのに五十を過ぎて可愛い系にときめくようになり「C」というブランドにハマった、ってあるのは花柄とかバッグとかグッズが多そうなところからやっぱりCath Kidston かな~。ちょっとまえ、ちょうどこの本が書かれたころブームだったしね。
本書は別に「老い支度」だけが書いてあるわけじゃないというか、いろいろ整理整頓したりするくだりもあって、これは昨今の「かたづけ」とか「断捨離」とかのブームにも通じるというか、まあ、収納の少ない日本の家では永遠のテーマなんではなかろうか…。
1節1節が短いし、テーマが卑近なので、主婦のブログっぽい印象もあって、「わざわざ本で読むような内容でもないかな…」と思わないでもない箇所も無いではなかった。だけどこういう「身近な感じ、隣のひとが書いてるような日常のちょっとした視点」こそが岸本葉子エッセイの魅力なんだろうなとか考えつつ読んで行く。びっくりするようなことはどこにも書いていないんだけど、無理のない思考過程だからするするとこちらに届くんだよね、言葉が。
特におわりに、のまとめ部分、至言だと思う。少し長くなるが、引用させていただく。

三十前後の、結婚しないかもしれないと不安だった頃、不安を脱する転換点となったのは、今を楽しむ発想だ。将来するかもしれない、しないかもしれない結婚にばかり気をとられ、それまでの時間を、どっちつかずの時間、仮の時間であるかのように過ごしてはもったいない。この今もこの今も生きているほんとうの時間、再びは還らぬかけがえのない時間に変わりないのだからと。
老い支度についても同じことが言えそうだ。年をとったらどうなるかわからない先行き不透明の時間を、衰えが顕著になるまでの猶予期間、ましてや死までの猶予期間などとしてしまっては、もったいなさすぎる。
今は今としてせいいっぱい享受する。その力をつけることが、よきエイジングの基盤になると信じている。

「先の事もちゃんと考えておかないといけないのでは…」という先行き不安な気持ちがあったので読んだというのもあるんだけど、それに囚われてちゃなんのためのいまなの? 先の事も考えないといけないかもしれないけど、何より大事なのは「いま、このとき」なんだよね、っていう大事なことを教えてもらった。

目次
はじめに 老いは怖い?
一章 モノと収納の話
モノ減らしを決意/片づけは「部分」から/着ない服を売る/クローゼット内を改革/地金買取初体験/少女趣味は突然に/ときにはまだ増える
二章 住まいと家事の話
つらい庭仕事/どうする、寒さ対策/入浴はジムで/洗濯機が置けない?/全自動か、手作業か/掃除ロボットがやって来て
三章 健康と食の話
進む老眼/歯まで欠けた!/年相応の髪型/自転車はやめられない/これからは筋トレ?/熱中症を防ぐには/食事作りはたいへんでも/体にいいつもり/スーパーの一パック/また、もの忘れ/頼りはメモ
[対談1]対馬ルリ子さんと、健康を語る
四章 人付き合いと防犯の話
地域へデビュー/同窓会に初参加/旧交を温める/近くの他人/安全のためにできること/いつか来るひとりの正月
五章 お金と遺言の話
先立つものは/小さな支出を見直す/エイジングケアの費用/悪質業者に気をつける/遺言のタイミング/エンディングノート
[対談2]畠中雅子さんと、住まいとお金を語る
六章 これからの話
してみたいことがたくさん/ときたま向学心/女子と呼ぶのはいくつまで?/「大人買い」の決め手/支度が役に立たなくても
おわりに “女子力”で乗り越える

Tips For Vintage Style
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Cath Kidston
Ebury Press (2004-07-13)
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