2016/04/01

アンと青春

アンと青春
アンと青春
posted with amazlet at 16.04.01
坂木 司
光文社
売り上げランキング: 248
kindle版
■坂木司
和菓子のアン』シリーズ第2弾。
いや~、第1弾読んで「続篇が待ち遠しい感じだなあ。」とは書いたけど、まさか本当に続きが出るとはあんまり期待していなかっただけに嬉しい。
単行本価格ではkindle版は原則買わないんだけどこれはやっぱ続きが読みたかったのでいちにち保留したけど結局ポチってしまったことであるよ。
この本、結構売れてるっぽい(「読書メーター」小説部門1位だって。アマゾンのランキングだって単行本でこの位置はすごいよ)。みんな和菓子のアン、好きだったんだなあ~うふふふふ。
しかも第2弾を最後まで読んだらまだ続くっぽい終わり方だし。

百貨店の地下の和菓子屋さんでアルバイトをしている、杏子(きょうこ)嬢、18歳。
高校を卒業して、働いている。
背が低めでぽっちゃり体系、まわりのみんなにぷにぷにされたりして想像するだに可愛らしいお嬢さんだ。
ニックネームはアンちゃん。

和菓子のことも、一般的な教養も、接客に必要な敬語もまだまだ勉強が足りなくて「学校で教わらなかったのか?」「大丈夫なのかな?」って思う面もあるけれど、彼女なりに一生懸命だし、「知識だけ」を詰め込んだ人間じゃなくて、アンちゃんはまっさらだからこそ、素直な疑問を持ったり、それを流したりしないで自分なりに理解しようと努めているところが立派だと思う。

短篇集で、最初の「空の春告鳥」は読んだことがあるなと思ったら『和菓子のアンソロジー』収録のやつと同じ話だった。ちなみに今その感想を読み直したらアンちゃんの無知ぶりにちょっと文句をつけているけどこれは否定じゃなくて「アンちゃんはもうちょっと知ってるはずだ」という「小説設定」についての疑問だと言った方が近かった。今回同じ話を読んで最初同じことを感じたけど、この話の終盤を読むうちに「そうか、アンちゃんはまだまだ吸収するし、思考が柔らかいんだ」とわかって短慮を反省した。

目次
空の春告鳥
女子の節句
男子のセック
甘いお荷物
秋の道行き
あとがき

以下、具体的なアラスジというか
内容に触れて感想を書いているので

ネタバレが嫌な方はスルーなさってください。

(o^o^o)

立花君はねー、そりゃまあわからんでもないけど自分の中の感情と現実を動かす力が一致しなくてもがくのは勝手だけどそれを態度に出してアンちゃんに冷たくしたり職場の空気悪くするとか最悪だと思うよ? まあ反省してたから許すけど。

今回の本には京都のイケズなひとが出てきたり、嫁に和菓子を使って嫌味で無神経なメッセージを送ろうとする姑が出てきたりで「こいつらが反省したり自分の言動の恥ずかしさに気が付いてくれればスカッとするのになあ」と思わずにはいられなかったが、そういうことにはならないのだった。まあ現実そんなもんだけどさ。でもいろんなことに気がついてもそれを己の立場をわきまえてぐっと飲み込んで笑顔で接客する椿店長とかマジで素晴らしいっス。
あ、あと臨時でやってきた女性社員が桜井さんを勝手に敵視して難癖つけまくるのもあったし……このシリーズってなかなか人間的にヤな脇役が多い、ような、うーん。

「空の春告鳥」に出てきた飴細工の某さんが「男子のセック」で再登場したのでびっくりした。柏木さん。その後も話に絡むし、これは短篇集じゃなくて連作短篇集って言った方がいいのかな、でもまあシリーズものだったらキャラはずっと出てくるのは当たり前…か。
とりあえず柏木にもムカムカすることが多かった。ああ、ヲレって短気。でも仕事出来なさすぎじゃないかなあ、仕事っていうか要領悪すぎっていうか。初めてでもないのに。
しっかりもののイケメン店長柘植さんのほうが殆ど出てこられなかったのが残念! 

このシリーズは「日常の謎」系でいちおうミステリー? ではあるんだろうけどあんまりそれっぽくない。今巻は主人公が絡んだ「恋の三角関係」も出てきたし(ただし少女漫画のお約束で本人はぜんっぜんわかってないっぽい。って少女漫画じゃないけど。でも一昔の少女漫画の王道的展開よね~)、なんかラブコメっぽいかなあ。

立花君にも柏木君にも全然萌えないのでせっかくの設定に全然トキめかないのがちと難点。ま、読み手が年食ってるせいもあるかもだけど。でもカッコイイものはそんなの超越してカッコイイから。立花君には是非、ガンバッテもらいたいものである。せっかく見目が良いんだから! 教養もあるんだから! 嫉妬で意地悪とかちっさいことしてちゃ駄目だよガッカリだよ~?