2016/03/30

天国はまだ遠く

天国はまだ遠く (新潮文庫)
瀬尾 まいこ
新潮社
売り上げランキング: 30,041
kindle版
■瀬尾まいこ
図書館のキリギリス』に出てきた本で未読でkindleで購入出来る作品で瀬尾まいこだったので購入。
たぶん題名に「天国」とかついてるから「そーゆーはなしはいーかなー」とスルーしてきたんだったと思う。でも『図書館の』で「主人公が山間の素敵な町に行く話」とか書いてあったので興味がわき、読んでみようかなと。

なかなか良い話だった。
生保で営業として勤めていたけれども契約が全然取れず、会社で上司からぐちぐち叱責を受け続け、人間関係も上手くいかず、なにもかもが上手くいかず(と思い詰めて)、ついに自殺してしまおうと日本海側のある町を目指した千鶴(年齢は二十代前半かなあ)。
一泊だけのつもりで山間の集落にある、ほとんど営業されていない民宿に泊めてもらうが……。

実際に田舎に住んだらこんなに放置されているってことは有り得ないと思うけど、まあ、彼女は民宿の客だからかなあ、でもきっと村中の人間が情報を共有していたとは思うけどね。特に、一人暮らしの若い男性の経営する民宿に若いワケ有りっぽい女性が泊まってるんだもの。

新潮社から2004年に単行本が出た本で、「文庫版あとがき」には
数年前、突然丹後地方の中学校での勤務が決まりました。(中略)丹後での生活があって、この本が出来上がりました。
と書いてある。そうそう、瀬尾さんは2011年に退職するまでは中学校の国語の先生だったんだよね。
つまりこの小説に出てくる集落の様子、夜に星がすごくたくさん見えるとかはかなり実体験を基に書かれているっぽい。

2008年に映画化。
主人公の千鶴は加藤ローサさん、民宿の30歳の主人・田村はチュートリアルの徳井さんが演じられたと…うーん全然そういうイメージで読んでなかったなあ。徳井さんだとハンサム過ぎるような気がしないでもない。本文ではむさくるしい、髯も滅多に剃らない、髪の毛とかも寝癖のままみたいなキャラだったので。洋服はいつもトレーナーとスウェット、夜でも朝でも裸足、何をするにも大雑把とか書いてあっておよそ若い女性が簡単に恋に落ちるような設定ではない。人柄はとても良いので、中身を知ったら好きになるとかあると思うけど。
というか、千鶴は田村さんに惚れてここにずっと住むことになるのかな? と考えながらずっと読んでいた。最後実際にどうなったかは、伏せて置きたい。
なんにせよ、前向きなラストで良かった。死ななくて良かったね、千鶴。