2016/03/26

通い猫アルフィーの奇跡

通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS)
ハーパーコリンズ・ジャパン (2015-10-01)
売り上げランキング: 133
kindle版
■レイチェル・ウェルズ 翻訳:中西和美
表紙帯には「ハーパーBOOKS創刊!」と書いてあって、発行日は2015年9月25日、発行元はハーパーコリンズ・ジャパンと書いてある。どういう会社だろうかと読み終わってからググったらハーレクインもここのレーベルなんだね。ふーん。

Amazonの月替わりセールにあってレビュー評判もなかなか良いので読んでみた。猫が主観の、猫の気持ちなどをいきいきと書いてある楽しいお話。ハートフル系。
飼い主が亡くなって野良猫になってしまったアルフィーは次の飼い主を自力で探すんだけど、そのときに今回の苦難を教訓としてひとつの指針を立てる。それは、1人の飼い主だけに頼り切っているのはリスクがあるから、複数の飼い主を持とう、というものだ。それぞれの家を行き来する「通い猫」スタイルが安全だと。

野良猫時代の苦労、飼い主を得るまでの工夫、飼い主を増やしていく過程、複数の家でそれぞれの飼い主に気を配り愛される猫であろうとする。複数の家でそれぞれいい顔をして空いた時間に素早く他の家に行って…というのを読んでいるとどうしても人間の、配偶者と愛人の間を行き来する感じを連想してしまってちょっとそれはどーなのかなーと思わないでもないんだけどまあこれは「猫」の話だから。でも飼い主としても自分の家でもよその家でも良い顔をしてるって知るのはあんまりいい気持ちはしないんじゃないかなあどうなんだろう、とか考えつつ読んだ。

アルフィーが他の猫の助言などを受けて目指してたどり着いた通りはまあまあの経済状態のひとが住む地区っぽい、高級まではいかないけど生活に余裕があるひとが住む地区。アルフィーによればずっとそこに住んでいるひとではなくて引っ越してきたばかりの家のほうがこれから猫を新たに飼うということをしてもらいやすいんだと、うーん、引越し前の家から連れてきたりすると思うのでそれはどうなのかなあ?

アルフィーが飼い主に選んだひとは偶然なのか、それぞれ寂しかったり、心が弱っているひとばかりだった。最初は猫を受け付けなくても、毎日通っていくうちに猫がいるそのことに癒されて心を開いていく。

猫が好きなひとには読んでいるだけで愉しい小説だと思う。わたしのように飼っていなくても楽しめるのだから、飼っておられる方はもっとだろう。
個人的な趣味で云うとわたしは小さい子どもが出てきてその言動が詳しく書いてある話を読むのが好きなのだが、この小説にも幼児や乳児などが出てくるんだけどあんまりその言動が書き込まれていなくて、アルフィーと遊んだりするシーンもちょっと物足りなかった。まあ猫の目線からすればご飯をくれる大人とか直接の飼い主のほうにより注意をはらうから、っていうのとさっきも書いたようにそれぞれの大人が悩みを抱えているからそのケアをしたいという思いがまずあるから、仕方ないんだけど。

話のスジはありきたりなのかも知れないけど、こういうのはハッピーエンドじゃなきゃイヤだし、ハッピーエンドで本当に良かった。最後みんながアルフィーのしてきたことを知っても怒ったりしなかったのでほっとした。
でも自分がもし猫を飼うとしたら、「ウチだけの猫」であって欲しい、と思っちゃうのは「人間側の身勝手な独占欲」なのかなあ?