2016/03/22

東京すみっこごはん

東京すみっこごはん (光文社文庫)
成田 名璃子
光文社 (2015-08-06)
売り上げランキング: 18,649
kindle版
■成田名璃子
amazonのオススメで上がってきてレビューの評価が高かったので読んでみた。
2015年8月光文社文庫からの電子書籍。
すべて同じ店をめぐるハートフル短篇集。

知らない作家さんだったが既刊リストを見るとメディアワークス文庫(ラノベのお姉さんレーベル)の作品が多いということで、あんまり深く踏み込んではいないんだろうなと予想をつけて読んだ。だから題材にいじめや未婚アラフォー女性や親との確執などを扱っているがあまり深追いせず「逃げ」や「ドリーム」を用意して根本的な解決までは追究していないのは織り込み済みだ。

それにしても実に面白い魅力的な舞台を設定してくれたものだ!
この設定だけでご飯5杯はイケると云っても過言ではナイ。

東京のとある駅前の長い商店街を横道にそれた細い路地の奥。古い木造の家が続くそこを進むとある一軒の家がある。一見普通の民家だけどよく見ると看板が出ている。その名も「共同台所 すみっこごはん」。看板には「※素人がつくるので、まずい時もあります。」と但し書きがある。

すみっこごはんのルールは【ここは、みんなで集まり、当番に選ばれた誰かの手作りごはんを食べる場所です。】から始まる。【レシピノート】という手書きのレシピ帳面があり、【なるべきレシピ通りにつくる】ことがルールのひとつ、というのが変わっている。
なんで当番各々の家庭の味じゃダメなのかな? と思った。読み進んでも、特段このレシピが魔法のように変わっていて特別な美味しさを生むというわけではなく、ごく常識的な、忙しい時にはレンジでチンなどして時短もありというすごく実用的なレシピであるとわかってきてからなおさら。作り手の工夫とかで付け加えて行ったり変更したりしちゃいけないのかなあと思ったのである。
最後まで読むといちおう納得いく理由が書かれていた。ふーん。

「アラ還おやじ」の話は特にそう思ったし全体的なことでもちょっと設定に無理があるのでは、とか思わないでもなかったが、そのへんはまあ、ドリームである、小説である、心ほんわかさせてもらったら良しとしようこういうタイプの作品は。
面白くて読みやすいし、家庭的な定番メニューが美味しそうでさくさく読めちゃう。総ページ3466と短めだし。
この本を読むとハンバーグが作りたくなる。
「今更」と思っていた肉じゃがが「やっぱり肉じゃが良いかも」って思っちゃって今晩の夕食は肉じゃがにしちゃったよ。お味噌汁も丁寧に作りたくなるね、出汁ちゃんとして。
ナポリタンも週末のお昼に作ろう、マヨネーズは試してみたいな。

目次。
いい味出してる女の子
婚活ハンバーグ
団欒の肉じゃが
アラ還おやじのパスタ
楓のレシピノート