2016/01/31

ブックデザイナー・名久井直子が訪ねる 紙ものづくりの現場から

■グラフィック社編集部
良いなと思う本を買ったらその装丁が名久井直子、ということがしょっちゅうあり、まー世代とか、流行りとかあるんだろうけど、それにしても凄いなと思う今日この頃であったのだが、Amazonのおすすめで本書が上がってきて「おお、これは読まねば」と購入した。
実物を手に取って中を見て、ほぼすべてのページにカラー写真が載っていて、活版活字をたくさん使った凝ったレイアウトで、これで本体価格2,000円は素晴らしいと思った。
「名久井直子著」なのかと思っていたが読んでみたらそうではなくて、名久井さんが紙関係のいろんなところに出掛けて行く企画本で、文章などはグラフィック社編集部の方が書かれている。初出は雑誌「デザインのひきだし」
地の文と、ところどころに発言が「 」で括って、その後に発言者の名前が(  )で括って書いてあるというのが変なスタイルだなあというか、もしかして文芸誌とかじゃないとそれは普通のことなのか。その(  )の中の書き方も、回によって(名久井さん)と(名久井)というふうに敬称ありなしがバラけている。呼び捨ての回は名久井さんが書いているというわけでもないようだ。

目次などをみれば一目瞭然だが、活版を作っている会社とか製紙会社とか、本に関する「ものづくり」の、わりと「昔ながらの」とか「こだわりの」「職人技」なんていう表現をしたくなる場所に名久井さんが訪れて、編集さんと共に質問したり話を聞いたりしている。難しいことは出てこなくてわかりやすい。写真もたくさんあって綺麗な本だ。名久井さんがしょっちゅう匂いを嗅いでいるのが面白かった。
読む本というよりは見る本かなあ。
一般受けする内容ではないかもだが、紙とか本とか活版とかあとは名久井直子ファンには楽しい可愛い本。
名久井さんの名前があったので買ったのだが主役は取材されている「紙ものづくり」の現場の方々なので、名久井さんの装丁とかについて知れるかな? という漠然とした希望とは違う内容だったがこれはこれで好きな感じの本だったので良かった。 

この本の表紙を撫でると印刷されている部分はザラザラしている。凸凹がある。
デジカメで撮って、そのままの解析度だと大きすぎるので半分くらいに画質を落としたがそれでも印刷部分が盛り上がっているこの活版の感じ……おわかりいただけるだろうか。
「紙もの づくりの 現場から」の「紙」のところ。
味わいがあるですね~、DTPではこうは出ないでしょう、活版の、この擦れとか。良いね~。
最近は、名刺を活版で頼みに来る方が増えているそうだ。おしゃれ! 素敵!


最後、奥付の手前に「staff」として以下の様に書いてある。あら、装丁も名久井さんじゃないのね。
訪ねた人 名久井直子
写真 井上佐由紀(カバー、P6~15、102~121)/嶋本麻利沙(P16~102,122~130)
取材 大城譲司(P6~55、72~131)/上條桂子(56~71)
装丁 川名潤(prigraphics)
企画・編集 津田淳子(グラフィック社)

目次を写す。
はじめに
[印刷]
01 活字鋳造/株式会社中村活字 活版印刷/有限会社弘陽
02 手摺木版出版/株式会社芸艸堂
03 カラーコロタイプ印刷/株式会社便利堂
[製紙]
04 印刷用紙製造/日本製紙株式会社・石巻工場
05 色更紙・家庭紙製造/春日製紙工場株式会社
06 越前和紙/越前和紙の里を訪ねる
07 板紙製造/大和板紙株式会社
08 加工紙製造/柏原加工紙株式会社
[製本・紙加工]
09 並製本/図書印刷株式会社
10 製本/日宝綜合製本株式会社
11 型抜き加工/有限会社成貢紙工
12 古紙問屋/株式会社大久保
13 ポップアップ製本/C&C Printing