2016/01/15

お話はよく伺っております

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KADOKAWA / エンターブレイン (2014-07-31)
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kindle版
■能町みね子
これは初出「Soup.」2007.12月号~2012.5月号「能町みね子と街の声」から抜粋し、加筆・編集した2012年6月刊の書籍をもとにして制作された電子書籍版。

街中や電車・バスの中などで耳に入ってくる市井のひとのなんでもない会話で能町さんの琴線にふれたものを紹介し、味わうエッセイ集。想像したよりどうでもいい内容が多く、思ったよりは「実際に聞いたら自分が面白いと思うかは不明」な感じだった。ただ、能町さんの取り上げ方が加わっているのでエッセイとして成立しているとは思う。

町中でそのへんのひとの会話を耳ダンボで聞いている、というのは作家の津村(記久子)さんも書いてらしたなあ。わたしはどっちかというと「聞きたくない派」である。いままで不可抗力で耳にしてきた知らない人同士の会話で聞いて面白かったり良かったというのはほぼ記憶に無いけど、聞いて不愉快だったり面白くなかったということは何回もあるからだ。最近はしていないが、通勤電車内にいる時間が長かった時代はウォークマンは必須だった。
まあつまり、「聞きたいひと」「聞きたくないひと」そしておそらく「どうでもいいひと」がいるんだろうな、でも能町さんも津村さんも仕事になんらかの形で活かせることが無いともいえない職業である、というのはあるだろう、玉石混淆の、ほとんどが石なんだろうけど。

幼い子どもの根源的な質問とか無邪気な様子とかはこれはもう夏休みの「子ども質問箱」の例を挙げるまでもなく鉄板ですよね。本書でも小学1年生くらいの坊やの「ねーお母さん、なんで人っているの?」というとんでもなく難しい質問が紹介されている。こっ…こんなの訊かれたらどう答えたらいいんだろう。この坊やは続けて「神様が作ったの?」「なんでおじいちゃんになったら死ぬの?」などと難問を投げかけている。対するお母さんは「うーん」とか「そおねぇ…」くらいしか返せていなかった模様。

あと、タリーズカフェでの店員さんの注文を通すときの掛け声についてのくだりは面白かったけどこれは厳密に言うと「会話」じゃないような…っていうかタリーズカフェに行ったことわたしあったかなあ…スタバも2回くらいしか…でももし行く機会があったら全力で耳ダンボになることであろう。

最後の「国際的にも」は書き下ろしだそうだが、単に海外旅行でコペンハーゲンに行ったときにホテルにいた変なおじさんの話1つだけだった。それで国際的って言われてもなあ。
っていうか能町さんって東大卒なのに英語のヒアリング出来ないとか書いてらっしゃるんだけどどこまで本当なのかなあーいままでわたしが本で読んだ東大卒のひとって英語わりと得意な方ばっかりだったような。ふだんの授業でも英語ばんばん使うとか出てきたような。まあふつうに謙遜だろうなあ。

目次を写す。
まえがき
男子中高生の天性/国と性をこえて/19歳ののろけ/ツッコミと命/日本語マニア/これがオシャレだ/全力話題作り/少年の窓/セレブの苦悩/独身女子の愛/夏の日の2008/あえて負ける/ギャッッッッップ!!/エクセレントこんにゃくジャパン/スクープゲット/貼り紙からの声/横文字でごあいさつ/ギガ/オシャレ病気カフェ/紅白に向けて/ニッコリママサン/セレブと下町のコラボ/存在と死/大人の会話術/ギャル自治区(その1~3)/劇団・男A&フッキー 第1回公演『600円の責任』/オレとオマエの花火/カフェ・プライド/やらされるゴルゴ/ビアホール萌え社長/イケメン漢字クイズ/半笑いの戦場/サマーバケーションじいさん/流行の最先端にて/モテトーク50代篇/親友とは(40代男性バージョン)/ソフィスティケイテッド中学生/構造改革中央線/たくましき高知/実録小悪魔/年賀ヤンキー/笑おうよ/コンパッショーネされたい/ダジャレ女の友情/お詫び申し上げます/21世紀友達/新・声に出して言いたい日本語/真夏の推理/冷や汗占い/甘酸っぱい歌舞伎町御前4時/国際的にもお話はよく伺っております