2015/11/23

COYOTE №57 平松洋子 本の丸かじり [雑誌] その2

COYOTE No.57 ◆ 平松洋子 本の丸かじり

スイッチパブリッシング (2015-11-15)
■スイッチパブリッシング
前回はざっくり目を通しただけの紹介文だったので追記。
今回の企画には小川洋子、東海林さだおという人気作家もたっぷり参加しているので、それぞれのファンにも興味深い内容となっているが、あくまで主役は平松洋子。
なんで11月も半ば発売の雑誌の表紙にスイカなんだろう…とは思っていたが、中身を読んで納得、今回の対談の中で、ブローティガン『西瓜糖の日々』についてかなりおふたりとも強く影響を受けていたということが明らかになり、それを受けて物語まで書いたりしちゃってるのだ(実はそれはまだ読んでいない)。
『西瓜糖の日々』をまず読み返さないとなあ…。

この雑誌の平松洋子と小川洋子の対談の中で、平松さんがどういうものを書きたいと思っているかについてはっきり述べられているところがあり、今まで平松さんの著作を読んできてぼんやりと感じていたこと・平松さんってどういう過程でこういうものを書かれるようになったのかという疑問にくっきりと輪郭が付いたような気がして、思わず読みながら雑誌を握りしめる手に力がこもった。

  私が仕事を始めた当時、書く以上は正確に伝えたいという気持ちが強いいっぽう、タイ、ベトナム、韓国、朝鮮を始め東南アジアの料理に関する本はなかったし、レシピにまとめて作れる人もいなかった。ですから、正確なことを伝えようとするなら、自分で実際に料理を作るほかありませんでした。
(中略)料理研究家と間違えられたりもしましたが、自分ではそのつもりは全然なくて。
(中略)人の口から言葉としては語られなくとも、たくさんの事実のなかに潜んでいる物語をいったん自分の掌で汲み取ったうえで書きたい、伝えたいという思いが、私のなかには強くあります。

これを読めただけでもこの雑誌を買った甲斐があったというものだ…感動した。そうか、昔の平松さんの著作のプロフィール欄には「フードコーディネーター」とか書かれてる場合もあって、料理とか食べ物に関した著作が多くて、著作は「実用・料理」のところに置かれていることが多くて、うんでも、そうだよな、そういうことなんだよな。

何気に平松さんがいわゆる「村上春樹の良い読者ではない」ことが明かされたりする、でもそれも既に『西瓜糖』を先に読んでいたからだったとおっしゃっていて。うーん、例えばわたしは十代に村上春樹に出会って、『西瓜糖』を読んだのはもうイイトシになってからだったからなあ…。やっぱ作品との巡り合いって順番とか年齢とか絶対影響するよなあ。