2015/11/22

芥川龍之介再読週間⑧

奇怪な再会
奇怪な再会
posted with amazlet at 15.11.22
(2012-09-27)
kindle版
■芥川龍之介
奇怪な再会」(大正9年12月)
面白かった。「お蓮」の正体を何故だか終盤まで隠してあるのだけれど読んでいたらだいたい推測できるのに何故かなあと思わないでもない。あと、お蓮が狂っているのかそうでないのか曖昧なままにしておいたほうが良かったかも。妾になって、全部男に頼って生きていて、でも郷里に好きなひとがいて……ってどうしようもないなあ。

恋愛と夫婦愛とを混同しては不可ぬ」(大正13年)
随筆。いまで言う見合い結婚を「媒酌結婚」、恋愛結婚を「自由結婚」て昔は言ったのね。昔に書かれた文章だけど、芥川は享年35歳だというのに随分結婚に幻滅していたんだなあというか、他の小説とか読んでいても「女」というものを全然信用してなかったんじゃないかなあと思わされるのが多いんだよね。まあ一般論として平凡なことが書いてあるんだけど、余計なお世話、十人十色の問題だしなあと思わないでもない。

温泉だより」(大正14年4月)
こういう題名だから随筆かと思ったらフィクションだった。「ふ」の字やら「あ」の字やら連発されると甚だ五月蠅い。

たね子の憂鬱」(昭和2年3月)
タイトルが大島弓子っぽい。暗い内容だなあ。ほんと発狂ネタ多いなあ。このタイトルならコメディにすれば良いのに真面目に暗かった…。

カルメン」(大正15年4月)
役柄のカルメンと、それを演じる女優自身が「カルメンぽい」という話。そんなに女が憎いのか。

玄鶴山房」(昭和2年)
碌な人間が出てこない。子どもですら無邪気さが無く、卑屈で可愛げが無い。鶴の字が入っているのにめでたさのカケラも無い、暗くてじめじめして狡すっからい人間模様を描いた小説。

二人小町」(大正12年2月)
小野小町のところに黄泉の使いが現れて…。これも「女」を醜く描いた話。最後の部分は、それこそ若造の男の視点でしか無いと思うけどな。美人は老いたら死にたいと思うだろうっていうことで意地悪してるつもりなんでしょう。でも「生」に対する執着はそんなもんじゃないんじゃないかなあ。一瞬で老けるわけではなく、日々、少しずつ老いていくわけだから、そのあいだに人間の「こころ」も変わっていく、成長していくんだから。