2015/11/19

芥川龍之介再読週間⑥

蜜柑
蜜柑
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(2012-09-13)
kindle版
■芥川龍之介
永久に不愉快な二重生活」(大正7年10月)
理想と現実は違うという手紙。

」(大正6年9月)
「さうだ。蛇も我々蛙の為にある。蛇が食はなかつたら、蛙はふえるのに相違ない。ふえれば、池が、――世界が必狭くなる。だから、蛇が我々蛙を食ひに来るのである。食はれた蛙は、多数の幸福の為に捧げられた犠牲だと思ふがいい。さうだ。蛇も我々蛙の為にある。世界にありとあらゆる物は、悉蛙の為にあるのだ。」
なかなか含蓄のある言葉である。

首が落ちた話」(大正6年12月)
で、結局どうしてあいつは、一度そう云う目に遭いながら、無頼漢なんぞになったのでしょーか。

西郷隆盛」(大正6年12月)
こりゃ一本やられましたな。

死後」(大正14年9月)
これは怖いわ、主人公の思考が怖い。「だって櫛部寓って標札が出ているじゃないか?」に慄然とした。

鼠小僧次郎吉」(大正8年12月)
コソ泥より大悪人のほうが有難がられる……まあ、質と程度によりますけどね。

蜜柑」(大正8年5月)
中学の時に国語の先生に教わってイイナーと思ってずっと頭の中に鮮やかなオレンジ色が輝き続けているのだけれど、今回久しぶりに読み直してわたしは主人公の苛立ちがものすごく共感出来て、蜜柑くらいでダマされるかなあという気がしないでもなかったが、まあ、リアルに見たら芸術家は許してしまうのかも知れない。主人公の思考回路は決して褒められるものではないが、人間、疲れているときはこんなもんじゃないでしょーか。