2015/10/08

エリザベス王女の家庭教師

エリザベス王女の家庭教師 (創元推理文庫)
東京創元社 (2015-03-04)
売り上げランキング: 1,223
kindle版
■スーザン・イーリア・マクリール 翻訳:圷香織
チャーチル閣下の秘書(創元推理文庫2013年6月28日刊)に続く第2弾で、2014年3月20日に創元推理文庫から出ていたもの、今頃読む。というのは、買おうかどうしようか迷って保留にしていたら先日キンドルの電子書籍・月替わりセールで随分安く(紙の本で¥1,361が¥647に)なっているのを発見したので。
ちなみにこのシリーズは第3弾『国王陛下の新人スパイ』2015年3月13日刊がkindle版で¥1,260で出ており、第4弾『スパイ学校の新任教官』は2015年10月23日kindle版¥1,300に発売予定となっている。
第1弾と第2弾が今安くなっているのは第4弾発売に向けてのキャンペーンかな…。

第1弾を読んでだいぶ経っているので記憶が曖昧だったが、チャーチル首相が出てきて、ロマンスはあんまり無くて、ミステリーというよりは冒険活劇っぽいという印象だった。第2弾はチャーチル首相も出てくるがメインはタイトルになっておるとおり王位継承権第1位の14歳のエリザベス王女とその妹のマーガレット王女。
この小説の時代設定は第2次世界大戦中なので、このエリザベス王女というのはすなわち現在のエリザベス女王(ウィキペディアだとエリザベス2世と書いてある)。
ウィキペディアを開いたついでにメモっておくと、
女王様は1926年4月21日生まれで、1952年2月6日に即位された。ということは26歳の誕生日の2ヵ月前、25歳で即位されているのね。この小説についての関連は同項の「王女時代」「第二次世界大戦」が深い。このへん、知っているひとは今更~な知識なんでしょうけどね。
この小説の舞台はウインザー城で、大戦中の疎開によるもの。ウィキペディアによれば【1940年2月から5月まで、ウィンザーのロイヤル・ロッジ(英語版)に滞在した後、ウィンザー城へ移り住み、以後5年近くを過ごすこととなった。】とある。1940-1926=14歳だから、ウィンザー城にこの小説が終わったあと5年くらい住まれたってことね。

まだ在位されている女王様が悪く書かれるはずもなく、この小説に出てくるエリザベス王女は幼いけれども聡明で、自分の立場や国民のことを思いやるとても素晴らしい少女。子どもらしい悪戯心や淡い恋心なども描かれており、あまり「未来の女王様」を強調していなくて素直に可愛らしい女の子だな、という感じだった。

主人公は本当はスパイとして活躍したかったのだけれども今回は表向きは王女の数学の家庭教師としてウィンザー城に送り込まれる。たしか、「家庭教師の女性」の地位ってそんなに高くなかったと他の小説なんかでも読んだ記憶があるけどそのせいか、お城の中で意地悪とかもされる。まあ、若い女性同士で、この主人公は「美人」の設定だから単純にやっかまれたとも言えそうだけど。

シリーズ第1弾でのロマンスの相手だったジョンは戦争でパイロットとして任務中に行方不明・生存不明になった状態で話が始まる。だから主人公マギーの心の中はジョンでいっぱいなんだけども、それでもこの話の中で出会いがあったり、ちょっとロマンスが生まれかけたりなんだりはする。

最近の流行で今の話のラストで次の話への「引き」まで書かれるのだが、第3弾はともかく第4弾で「スパイ学校の新任教官」にまでなっちゃってるって、いったいこのマギーがどうなったらそうなるんだろうとびっくり。波乱万丈ってことかなあ。
ミステリーとしては犯人に意外性とかそういうのは無くて、まあ順当に「そうだよね」って感じで理解できるひとだったんだけど、それ以外の、主人公の私生活面で結構大きなどんでん返しがあって、読んでいて「わーそうかあ!」と思った。それにしてもこの小説の最初のほうで殺される、ピアノ線で首切断、っていうのはグロくて怖いなあ。しかもそれを14歳のエリザベス王女と妹のマーガレット王女が一緒にいたから発見もしなくてはならない状態だったんだよね。気の毒過ぎる…。

第3弾はドイツが舞台なのでナチスと、そして「あのひと」との対決になるんだろうなあ、考えただけで重たいなあ。以降読むかどうかはまた気分次第。