2015/08/23

西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事

西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事
広瀬 洋一
本の雑誌社
売り上げランキング: 73,518
■広瀬洋一
2013年9月に本の雑誌社から出た本。
西荻窪といえば平松洋子の住む町!と平松さんファンのわたしにはインプットされているが、他にも作家さんが多く住む町らしい。あと、近畿在住の人間にはあまりピンとこないんだけど「中央線」に住むひと、っていうのである程度タイプが判断される材料になったりするらしい。

この本が出たとき、本屋で見かけてタイトルの「西荻窪」にピーンとひっかかり、しかも「音羽館」ってそういえば平松さんの本の中でも出てきたことあったかな?(記憶が曖昧だから間違ってるかも)。
ってゆーか帯! 帯のコメントがほむほむ(穂村弘)だよ! うっわそういえば穂村さんも西荻窪在住だったよね、んで「本の雑誌」に連載持ってるもんなあ。
――というミーハー心はだいぶソソられた。だけど購入には至らなかった。だって「音羽館」知らないもん…書いてるひとはこの古本屋さんの店主さんらしいが…まあ知らない書店の本を買ったことが無いではないんだけど。

では何故今頃この本を購入して読むに至ったかというと夏休み1日もらって西荻窪に行ってきたから。正確にいうと西荻窪&神保町に行ってきた。テーマは「ひらきなおっておのぼりさんの旅=平松さんの住んでる町にミーハー心丸出しで行ってみよう&神保町でなんかイイのナイか探してみよう」。
で、西荻窪ってどんな雰囲気の町かな~って見るついでにこの音羽館さんにも寄ってみた。そしたらこの本が棚にあった。「うーん、イイのかなー新刊書店で買うべきかなー」って思ったけどまあ、見つけちゃったので内心すまんと思いつつ買わせていただいたのだった。お値段は¥900が付けてあった。
本当は先にこの本を読んでこの書店行くのが正しいミーハー道なんでしょうなあ。

で、帰宅してから読んだんだけど、想像していたよりも「商売について」書かれている部分が多かった。これから古本屋を自分でやってみたい、という方に参考になるんだろうと思う。なんていうかもっと「ふわっ」とした雰囲気がメインなのかなと漠然と考えていたので。ってこれじゃなにかわかんないか…つまりもうちょっと「本が好きだから商売なんて考えてませんよ」っていうスタンスを演出してあるのかなっていうイメージだった。別に「商売第一」じゃないしまして「儲け主義」では全然ないんだけど、本のことをすごく好きな店主さんだなっていうのは読んでたらすぐわかるんだけど、えーとなんて言ったらいいのかな。つまり、すんごく誠実で真面目に仕事してるひとが自分の日々の仕事やそれを始めるに至った道筋やなんかを格好つけずに書いてある、そういう本だった。ああこういう信用できる本屋さんが近くにあったら良いなあと。

実際に棚を見せていただいた感想として、すごくセンスが良いんだけどちっともトンガッテいない。日常ふらっと散歩の途中で入って何も買わない日があっても大丈夫、買う時に「こんな本買って軽蔑されないかしら」なんて気にしなくていい居心地の良さそうなお店。最初「おしゃれ系でこだわってる棚づくりのお店なのかな、なんせ本まで出しちゃう古本好きに有名なお店なんだから…」って少し緊張して入ったのにふつうの町の古本屋さんのようにごく普通の漫画が棚に混じっているのを見てイッキに肩の力が抜けた。
本書を読み終えて音羽館さんに対する好感度が増し、いま思えば棚にあったあれとあれも買っておけば良かった…でも荷物が重くなってしまうと躊躇してしまったんだよね…あーあ。

音羽根の店主である広瀬さんはここで古本屋さんを始める前は高原書店で働いていたと書いてあり、あ、それって(三浦)しをんさんがアルバイトしてたとこと同じだなあと思っていたらしをんさんのことも出てきたので「おー」と思った。店主さんよりその奥さんのほうが親しかったらしい。
神保町の古本屋さんとは雰囲気がちがって小綺麗でどこかに「かわいい」「おしゃれ」がある(店内BGM含めて)とは感じていたけど本書を読むとそのへんにも広瀬さんの考え方がきっちり入っていたことがわかる。ほんと、行く前に読んどけよって話だよなあ。