2015/07/27

あくびノオト 【十代の頃の愛読書、再読】

あくびノオト
あくびノオト
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新潮社 (2013-09-06)
売り上げランキング: 47,020
kindle版
■北杜夫
高校生~二十代前半くらいまでの、特に十代後半での愛読書。
文庫本はもう手元にないのだが、kindleで購入できたので久しぶりに読んでみた。
何回も繰り返し親しんだだけあって、活字を追うと同時進行で思い出していく感じ、非常に懐かしい。
この本で八丈島のイメージが出来てしまったので、いまだに八丈島と聞くと「ホラ吹き」と連想してしまう。
まあこのことだけでなく、昔はそうだったんだなあ、古いなあ、と思う見解や当時の社会常識やなんかがたくさんある。北さんと云えば精神科のお医者でもあったがこのエッセイで書かれるそのへんの記述も相当に古いといまは素人でもわかる。
そのへんは巻末に新潮文庫編集部の「本作品中には、今日の観点からみると差別的表現ととられかねない箇所が散見しますが、著者自身に差別的意図はなく、作品自体のもつ文学性ならびに芸術性、また著者がすでに故人であるという事情に鑑み、原文どおりとしました。」という注釈がある。
だいたいkindle版ではこの種の釈明文が載っていることが多いのだが、これは紙媒体時点で既に載っているパターンである。

本書は昭和36(1961)年新潮社から出版された。kindle版は昭和50(1975)年新潮文庫の、昭和55年第15刷を底本としているとのこと(北杜夫の没年は平成23(2011)年だから「注釈」はその後の新潮文庫から引いたのだろう)。
エッセイ集だが、創作(短篇)も数篇収録されている。
ユーモアたっぷりのぶっとんだ文章もあれば、真面目な人柄がそのまま出たような文章もある。小説なんかは繊細な感じがあったり。エッセイと区別がつきにくいのもあるけど。漫画が子どもに良くないとかそういう論が昔はあったなあ…。

目次。
1.なまけもの論/なまけもの再論/ホラ天国・八丈島/女人礼讃/アフリカ沖のながあい航海
2.第三惑星ホラ株式会社【小説】/少年と狼【小説】/彼は新しい日記帳を抱いて泣く【小説】/活動写真【小説】
3.人われを白痴とよぶ/当世医者心得/葡萄酒のこと/酒をやめさせる薬/ボロ車のこと/子供マンガはやはり害がある?/私の児童漫画ロン/名前のことなど/虫をくれるのは困る/一等船客失格/アフリカ・マイマイ/宮古島にて/沖縄のはずれの島/税関にて/大凧/宇宙の加速度/朝の光【小説】