2015/07/22

ぶたぶた

ぶたぶた
ぶたぶた
posted with amazlet at 15.07.22
文蔵Books (2013-10-25)
売り上げランキング: 28,926
kindle版
■矢崎存美
Amazonでこのシリーズ最新作が上がってきて「ぶたぶた? 何それ?」と調べてみたら本物のぬいぐるみが人間の如く動いて喋るらしくて「なんだそれ!」俄然興味がわく。
著者名でググったらウィキペディアに無くて「はてなキーワード」【矢崎存美】によれば、【1989年、『ありのままなら純情ボーイ』(MOE出版、矢崎ありみ名義)】でデビュー。ぶたぶたシリーズ以外も書いてるけどこれで有名なひとっぽい。著者のブログ(矢崎電脳海牛ブログ)によれば現在スピンオフ2作を含めるとシリーズ第21作まで出ているらしい。

記念すべきぶたぶたシリーズ第1作である本書は、広済堂出版から1998年9月に発行された後、徳間デュアル文庫2001年4月で出版され絶版になったりしていたが徳間文庫で2012/3/2に復刊。
わたしが読んだのは電子書籍版で、文蔵Booksというところから2006/4/1の発行。

短篇集。9篇収録。
主人公は全部違って、全部に山崎ぶたぶた氏(同一人物…同一ぬいぐるみ!? )が登場する。
ユーモアものかと思いきや、人情もの? いろんな立場の人間の悩み、行き詰っている状況がテーマになっていることが多いけど、ぶたぶたの存在によって緩衝剤になるというか…。あんまり深刻にならない深入りする手前くらいまでしか書いていないという気もする。

初恋
ぶたぶた(以下B)初登場。
Bの職業:ベビーシッター。ふだんのお姉さんの上司らしい。Bはバレーボール大の大きさで(予想よりもずいぶん小さい)、中身はおじさんらしい。おじさん…見かけは愛くるしいぶたさんのぬいぐるみなのに…何故に、おじさん。と思ったけど「中身は子ども」だったら全然違う話になっちゃうし、なんかかわいそうというか、職業には就きにくいか。
でもぬいぐるみがベビーシッターってのはめっちゃ適材適所って感じだなあ! ぬいぐるみが動いて喋って遊んでくれるんだぜ? まさに、子どもの夢!

最高の贈り物
B=おもちゃ屋の店員。
学校をさぼった思春期の少女がBを思わず万引きしてしまった。彼女は家(両親)のことで最近鬱屈した思いを抱えていて…。

しらふの客
B=タクシードライバー。
ええとですね、Bはバレーボールの大きさしかないのにですね、普通乗用車を運転するばかりかタクシーの運ちゃんにまでなれてしまうのですね、でも小さいから外から見たら誰も乗ってないように見えるっていうんですね、……いったいどうやって運転してるの!? ハンドルは? ブレーキは踏めるの!?
などとまともなツッコミをしていてはこのシリーズは読めないのであった。まずそもそもの根本、ぬいぐるみが喋るわ食べるわ歩くわ…。

ストレンジガーデン
B=フランス料理のシェフ。
疲れて運転していた主人公はうっかりBを轢いてしまう。Bはとても腕のいいシェフで、近々フランスに渡る予定だったが…。
B自体が悩みというか迷いを抱えている設定。随分人間くさいぬいぐるみだなあ。

銀色のプール
B=放浪者?
小学3年生の少年がシーズンオフのプールでBを見つけ、出会う。家と学校と塾にうんざりしていた彼はプールに家出する…。
Bが少年とカレーを作るシーンがあるんだけど、燃料についての描写がないなあ。コンロとか常備してあったのかなあ。

追う者、追われる者
B=サラリーマン
なんと普通の会社員で電車に乗って通勤し、お昼は職場の同僚と出掛け、営業もし、金曜日には飲みに行ってカラオケにも行くB。
主人公は私立探偵で、Bの尾行を言いつかるのだ。
この話でBに美人の奥さん(人間の女性)がいることが判明する。……。

殺られ屋
B=殺られ屋。殺し屋じゃなくて、「誰か殺したいひとがいるなら代わりにBが殺されて差し上げましょう、だってBは燃やされない限り復活できるから」ということらしい。
なかなか重い暗いテーマを扱っていてどうするのかと思いつつ読んだが最後のこれで果たしてそう簡単に解決するかなあ、疑問だなあ。

ただいま
B=主人公の失踪した兄???
主人公には家事が得意で優しい兄がいたが10年前に謎の失踪をとげている。
台風の夜に風で飛ばされてきたBは記憶喪失になっていて…。

桜色を探しに
B=詳細設定不明。
今までのBとリンクしている。
主人公は東京に出てきたばかりの学生。雑誌でBについて読んだ彼女はその記事を書いたフリーライターと共にBを探す。フリーライターは「銀色のプール」に出てくる某だった。そしてこの物語の主人公のリンクは最後の方でほのめかされる。おー。

徳間文庫版はこちら↓

ぶたぶた【徳間文庫】
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矢崎存美
徳間書店 (2012-03-02)
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