2015/05/24

太陽がもったいない

太陽がもったいない (単行本)
山崎 ナオコーラ
筑摩書房
売り上げランキング: 418,853
■山崎ナオコーラ
これは紙の本。
先日、大阪梅田のルクア・イーレの中にレンタルじゃないほうの蔦屋書店がオープンして、どんなもんかと見に行ったときに購入した。蔦谷書店はすごくオシャレでカフェもあり、英字の雑誌もたくさんあって、ジャンル別作家別だけじゃなくて同じ本が区分けによってダブって置いてあったりしてセレクトショップみたいな感じだった。本の総量はそう多くない気がしたし、買いたい本が決まっている場合なんかはどこに置いてあるかがわかりにくいので向いていないかもだけど、なんか面白いの無いかな~と新規開拓をしたいときなんかは思い掛けない本に出会えるかも知れない。本棚が円形なのでいつのまにか一周している。いま話題のドローンも置いてあった。詳しくは梅田蔦谷書店のサイトへどうぞ。

単行本で、よくある四六版(127×188)ではなく、ちょっと珍しい大きさでとても可愛い。178×180だそうだ。正方形に近い。初めての書店なのでカバーをお願いしたんだけど、新人の書店員さんがモタつき、ベテランのおじさま書店員さんにバトンタッチしていたので「ああ、そうか準備してあるのは使えなかったんだな」とわかった。

この本が出版されたのは2014年7月。実は発売より前にネットを見ていてベランダ園芸を扱ったエッセイだというので「おっ」と思っていたのだが、そのあと失念してしまっていた。蔦谷書店で本棚をぷらぷら眺めて「この本がここに来るのか~」などと面白がっていて見つけた。書棚にこれが刺さっていて「あっ」と手に取り、その真後ろを振り返ってテーマごとに特集されているディスプレイが園芸モノだったので見たらそこにも積んであった。

本書の初出はwebちくま(2013年3月~2014年1月)で、それに加筆修正をして一書とした、ものだそうだ。
いとうせいこうのベランダー・エッセイみたいな雰囲気の、でも著者が三十代女性だからもっと繊細な感じかな、と想定して読みはじめ、まああながち間違いではなかったけど、それよりもびっくりしたのは園芸とは違う、その時々に山崎さんが考えていることや普段からの主張などが結構詳しく書かれていることで、それがいまのテレビなんかでは言いにくい内容で、下手にマスコミなんかに部分的に流れて誤解されるとマズそうだなあという感じのことが多く、そうか、山崎さんはこういう考えをお持ちで、そしてそれを書いちゃう方なんだなーと非常に興味深く読んだ。
似たようなこと、近いことを考えたことがないわけじゃないけどその内容よりも、ここまでキッパリ主張しているそのことが面白く思ったり目を丸くしてしまった。曖昧にしないんだ~、ぼかさないんだ~と思って。わかるひとだけに伝わるように毒を込めて、だけどオブラートに包んで表面上はあたりさわりなく書くことだって作家だから出来るはず、でも山崎さんは世間にマイナスに捉えられそうなこともとっても明瞭に「こう思う」って言い切る。そこが凄い。

もちろん本書のメインは園芸ネタ。
山崎さんは苗からじゃなくて種から育てたい派だそうで、それは発芽のときが一番好きだからのようだ。でも種からだとどうしても「間引き」をしなくちゃいけなくて、それはあんまり好きじゃないと。数種類どころか30種類くらい蒔いておられるのでびっくりした。全部上手く育つというわけではなくて、枯れてしまうものもあるようだ。
メインは薔薇を4種類だそうだが、これはさすがに株から。
このエッセイを書きはじめたころは当面その賃貸マンションに住み続けるつもりだったそうだが、途中で結婚してご主人が同居することになり、そして本書の最後で引っ越すことになる。それも今より家賃が6万少ないところに、とか、それは夫氏の年収(具体的に書いてある)に合わせた生活をするためだとかかなりセキララ。
園芸エッセイだからもっと浮世離れしたまったりした雰囲気を想定していたが、そうではなかった。
長嶋(有)さんが「山崎ナオコーラ=ロボット説」を『本当のことしかいってない』で書かれていたけどどういうことだったっけなあ?