2015/05/25

三国志 08 望蜀の巻

kindle版
■吉川英治
赤壁の戦いの終盤から終り。
義を重んじる関羽の性格を見抜いたうえでいったんは避けたものの、抗議を受けてあえて曹操にぶつける孔明のエピソードが面白かった。
曹操が孔明の未熟だと思って「あはははは。あははは」と大笑いした直後に孔明が放った視覚がばばーんと現れてピンチに陥る、というのをご丁寧に3回も繰り返してあったのが面白かった。
曹操の部下の周瑜が敵ながら才覚があって憎たらしい。
同じ曹操の部下に周瑜の同僚の魯粛というのがいるんだけど、このひとがほんっっっとに器が小さくて。人柄はすんごい良いんだけど。孔明が「周瑜に言っちゃだめですよ」って言って「了解了解」って言っておきながら速攻周瑜にバラしている。そんなのばっかり何回も出てくる。それは決して意地悪とか策略じゃなくて、たんに「秘密」を自分一人の胸に抱えていることが出来なくて不安だから友達の周瑜に「孔明はこう言ってたけど、どう思う?」って相談したいだけっていうのがすんごくよくわかるんだよね。そのあとも孔明のところにフツーに顔だしてるし。悪意が無いから出来るっていうか。
あーもー魯粛さんってば!
そしてついには味方の周瑜にすら「あんたは人柄は良いけど仕事は全然才能が無いな!」的な罵声をあびる…だって命かかってんだもんなあ、周瑜の気持ちわかるよ~勘弁してくれよこのオヤジって思うよな~。
こういうひと、そこらへんにいくらでもいそうなんだけど、平和な現代の日本ならともかく三国志時代によくここまで出世できたもんだ!

それからこの巻ではいきなりいつのまにか孔明の正夫人(甘夫人)が病死していたと出てきて、いわゆる政略結婚が仕組まれる。孫権の妹、弓腰姫なんと16,7歳。対する玄徳はもう50近い。これをエサとして玄徳を呼び出し暗殺してしまおうというハラ、例によって考えたのは周瑜。
このお姫様はなかなかカッコイイ凛としたきれいなかたみたいだけど、そのお母様が呉の皇帝の親にあるまじきバカっぷりで笑える。娘可愛さしかなくて、国のことなんていっさい考えてない。

後半は蜀の国関係。ここの王様もお坊ちゃま気質の馬鹿っぽいなあ…。孫権も自己中の馬鹿だしなあ…。玄徳は義に厚いけど弱いし。総合的に見ると曹操って怖いけど、王様の才能や華があり、なによりめっちゃ強い。
三国志の「三国」は魏呉蜀のことだけど、圧倒的に秀でている曹操に他はどうやって対抗していくんだろう。
玄徳は明らかに孔明と会えてよかったねって感じだけどいまのところまだどこの国も落ち着いて収めたことがないぞ…。