2015/04/11

ちいさいモモちゃん

ちいさいモモちゃん (講談社文庫)
松谷 みよ子
講談社 (2011-11-15)
売り上げランキング: 28,910
■松谷みよ子
先日、鬼籍に入られた松谷みよ子さんを偲んでいろいろ著作を見ていたのだが、わたしは先生の代表作である「ちいさいモモちゃん」に小さいころに出会わなかった、題名は聞いたことがあるけれどもう大人になってしまってから知ったので読まないままこんにちまで来てしまった。
いまは講談社文庫からおとなも買いやすいようなものが出ている。
しかも表紙が酒井駒子!
解説が角田光代!!

読んでみるとジャガイモさんとニンジンさんとタマネギさんがカレー粉の袋をしょってドアを開けて入ってきたり、黒猫のプーがしゃべったり、ひらがなが多いし文庫だけどやっぱり子どもが読むような、というか小学校の2,3年生くらいから読めるような、そういう読者に向けて書かれたお話だということがよくわかる。
うう、これその頃になんで読まなかったんだろう…っ。

もちろん大人になっても読めるが、大人の視点や思考がどうしたって伴ってしまうから、なんかやっぱり違う気がする。子どもの頃に読んでいて、「端が擦り切れるほど」になっていて、そんで「大人になって読んでみたら」とできるのが一番良いように思う。
さきほどのジャガイモさんのくだりを読んでわたしが思ったことは「鴨が葱背負って」であり「おにくさんは来ないのかしらん」であった。小さいお友達は「おにくがいないこと」のしんぱいはするのかな、しないような気がするな~…。

なお、本書は1964年に刊行された『ちいさいモモちゃん』と1970年に刊行された『モモちゃんとプー』の2冊を1冊にまとめ「修正のうえ文庫化したもの」だそう。

ちょっと意外に思ったのは、この話のママが働くママなこと、赤ちゃんであるモモちゃんを「あかちゃんのうち」に預けて働くひとだったこと。
「あかちゃんのうち」って保育園のことかな?と思っていたら、もう少しお姉ちゃんになったモモちゃんは同じ敷地内にある保育園に行くようになるのでした。あとでネットで調べたら著者の松谷さんが実際に長女さんをそういうところに預けてらした実話がもとになっているらしい。

この本で一番びっくりしたのは「モモちゃんとプー」がはじまってすぐにある「影をなめられたモモちゃん」。
そして「文庫版あとがき」に書かれている単行本版初版あとがきに書かれていたという長女さんがチューインガムをのどに詰まらせて、という件。

解説の角田光代さんがほのめかしていた続篇『モモちゃんとアカネちゃん』で書かれる家族の変容、そして読後ネットでその内容を知って、これをもし角田さんがそうだったように7歳くらいで読んだらどういうふうに自分はそれを感じたんだろう……ということ。

なお、『モモちゃんとプー』の前に「モモちゃん、怒る」という題名の酒井さんのカラーイラストがあって、怒ってるモモちゃんがすんごく可愛く、ママの後ろ姿が、若いママの後ろ姿にはっとさせられた。解説の角田さんがママの足のことを書いてらして、おお、と思って絵を見直した。そうか……。