2015/04/11

淋しいのはお前だけじゃな

淋しいのはお前だけじゃな
枡野 浩一
集英社
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■枡野浩一/オオキトモユキ・絵
この本はkindle版で読もうとしてサンプルを見てみたら、電子書籍ではページを画像として表示しているパターンだったので、これは紙の本で読んだ方が読みやすいな~というわけで文庫で買った。

活字がまるで短歌のようなレイアウトで(行間とか)組まれていて、ページの下3分の1以上がオオキトモユキさんによる続きイラスト(絵は絵で後でたどっていくとちゃんと絵本のストーリーになっている、本文とはあんまり関係ない、連想、かな?)なので、字が少ない本、絵本みたいな本。

タイトルは「淋しいのはお前だけじゃない」じゃないデスよ、っていうのはもうあちこちで書かれてて有名だから今更間違わない。というか、そのことをネタにした書評でこの本のことを知って、いつか読もうとずっと思っていたがずるずると今まで読まないまま今まで来ちゃった。

誰の書評で知ったんだっけか、最初は「本の雑誌」だと思うんだけど、より最近では長嶋有というかブルボン小林の本『ぐっとくる題名』初読み感想/再読時感想)で書いてあったんだっけ、というのをこの本を読む前にぱらぱら中身を確かめていて、解説を長嶋有が書いているのを見つけて「やっ!」と喜んで先に読みはじめたらそのことが書いてあった。
枡野さんは長嶋さんにそのエッセイを解説としてまるっといただきたい、と依頼したそうなんだけど、長嶋さんはそれだと長嶋ファンは同じ文章を2回読むことになるから、新たにちゃんと解説として書くぜ、ということにしてくださったそうで、まことに長嶋有は素晴らしい、優しい、ファンのことを考えてくださっていてありがとうございますと思った。

さてこの本は短歌がそれぞれのエッセイのタイトルの様に置かれていて、短歌とエッセイ両方を楽しめるような作りで、そしてエッセイも短いけどなかなか濃厚にギュッと濃縮されていてなんだか言葉が重たいような、だから短いけど密度が濃い、こういうのを星の話で「質量」とかいう単位で習ったことがあるけど、この本はまさにその「質量」ってことを考えちゃうような、胸にびしっとくる言葉が詰まった文章によって出来ていた。

枡野さんのことは以前に興味を持って調べたら私生活でいろいろあって、その顛末をそのまま本に書いちゃったりして、なんだか大変なことになっていたようなんであるが、そして長嶋さんの解説によればこの本の内容はその事件が起こる「以前」に書かれていてどうやら「あとがき」時点で「以後」みたいなんだけど、そういうことを頭に置いて読むとまたなんだかいっそう「お前だけじゃな」で「な」で止めてしまう著者っていったいどんなひとであろうか、とか考えてしまう。

オリジナルの本を読んだのは多分初めて、だけど『石川くん』は読んだことがあって、あと穂村さんへのライバル心むきだし?な文章は昔どっかで読んだ記憶があるような…。
通販のことを書いた文章(通販生活に載りたいっていう内容)だったと思うんだけどあれはなんだったっけか、誰かの解説かなあ。

オオキトモユキさんの絵はなんとSFだった。これはペンギン……で合ってますか?