2015/02/04

ひとり上手な結婚

ひとり上手な結婚 (講談社文庫)
講談社 (2014-04-11)
売り上げランキング: 2,365
kindle版
■山本文緒&伊藤理佐
初・山本文緒。
山本文緒は恋愛小説を書く小説家なので、恋愛小説が守備範囲外のわたしは未読である。本書を読み終えて山本さんにちょっと興味を持ったので小説も読んでみようかとアマゾンで有名な『恋愛中毒』と最新作『なぎさ』のアラスジとみなさん絶賛のレビューを読んだだけで「良い小説なんだな、でもわたしには合わないというかしんどそうだなあ」と腰が引けてしまった。
伊藤理佐は絵や内容があんまり守備範囲ではない漫画家だがインテリアとかが好きなので『やっちまったよ一戸建て!!』(全2巻)を昔読んで面白かった。あと最近『女いっぴき猫ふたり』がキンドル版で割引セールになっていたので1巻だけ読んだ。
伊藤さんの再婚相手って吉田戦車なんだよね。吉田戦車の漫画は読んだことがないんだけど唯一読んだエッセイ『吉田自転車』に確か伊藤さんと再婚したと書いてあった気がする。
少ない読書のなかでのイメージだけど、伊藤さんて下ネタ漫画とか描いてるけど実はまじめ、堅実な現実派、良識のある方だなと認識している。

実はこの本が文庫化した昨年2月くらいのとき書店で見かけて「面白そうだなー」とは思っていたんだけど「結婚って所詮は個人生活だから参考にはならんだろう」と思ってスルーしたのであった。今回キンドルで気が緩み、気軽にポチった(だからキンドル……恐ろしい子!なのデス。ちなみに文庫と値段はまったくおんなじ。なんでやねん)。アマゾンのレビュー見てるとレイアウトが悪い、という感想が散見されたんだけどキンドル版は章ごとに最初山本さんの文章、その後伊藤さんの漫画、というスタイルで読みやすかったんだけど文庫は違うのかなあ?
んで実際読んでみた感想は「面白かった。でもやっぱり未読のときの予想は当たっていた」。
自分のなかにここに上がっている相談者と同じとか似ている悩みが無かったっていうのも大きいかもしれんが。
っていうかね、山本さんも伊藤さんも基本的に恋愛体質なんスよわたしに云わせれば。
恋愛体質のひととそうじゃないひとは生き方とか考え方がたぶんかなり根っこの、根本的なところからして違うんスよ。
だから「あ、そうなんだー」と興味深くは思っても共感はあんまりしなかったというか。

この本は、既婚、独身の方からの結婚に関する悩み相談を受けて、山本さんと伊藤さんが同時に原稿をそれぞれ書いて答える、という企画もの。文章とイラストがある本の場合、多くは先に文章が書かれてそれに挿し絵的にイラストが描かれるんだけど本書は違うらしい。まあ、章ごとに文章に合わせた挿し絵はあるんだけど、漫画のほうは別個に、文章とは関係のないところで書かれている。だから同じ相談に対する回答なんだけどそれぞれの個性が生きたものになっていてとても面白かった。
相談をしたひとが回答を読んで納得したかどうかはわからないけれど、第3者的にはなかなか鋭いなと感心したり、「凝り固まっている思考を崩して変えてみるとまた世界の見え方が違うよねえ」と頷くことが多かったかな。

相談するひとって自分の中に既に回答を持っているパターンがあって、その後押しをして欲しいだけ、っていうひとがいる。
あと、相談してそれを参考に言動を起こして失敗したときに相談に乗ってくれたひとを責めるタイプのひともいる。
どちらもなかなか困ったひとだ。
いま気付いたんだけど、本書の相談に対する回答ってそういう困ったちゃんを生み出さないように上手に答えているような気が。
うーん、さすが。賢いね。

巻末に漫画家のけらえいこと3人で鼎談記事あり。
『吉田自転車』を読んだときの感想はこーちらー。


吉田自転車 (講談社文庫)
吉田戦車
講談社
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