2015/02/14

犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯

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kindle版
■ミカエル・ヨート&ハンス・ローセンフェルト 翻訳:ヘレンハルメ美穂
犯罪心理捜査官セバスチャンのシリーズ第2作。
このシリーズは全部上下2巻なのかなあ。
本作「模倣犯」では第1作についての壮大なネタバレを孕んでいるから第1作を未読の方は絶対に第2作を先に読んではいけません第1作で明かされる衝撃の事実および犯人が誰かとかまで文中で触れられていた! どっひゃー。


さて第2作について。タイトル「模倣犯」なので既に示されていることだけど。
今回は昔起こった連続婦女暴行殺人事件を何者かがそっくり模倣して犯行している、ということまでは最初からわかっている事件。
その過去の事件の犯人は現在刑務所に服役中で、当時彼をつかまえたのはセバスチャン・べリマンだった。セバスチャンはその事件について書いた本で一躍有名人になったわけである。

そんなわけであるから、トルケルがリーダーを務める国家刑事警察殺人捜査特別班は普通だったら速攻セバスチャンを仲間に入れて一緒に捜査するはずなんだけど、問題はセバスチャンの性格。これをメンバーが徹底的に嫌っていて、断固拒否しているのだ。
「おまえら、そんな感情的な問題で仕事やってていいのかよ……犯行についてなんの手がかりもないくせに」と読みながらちょっとびっくりしてしまった。

ミステリーにはいろんな書き方があるけど、今回の話は最初から黒幕が誰でどういうふうに犯罪を行っているかは読者に明かされている、といういわば「古畑任三郎」形式。

誰が実際に犯行を行っているか?も読者には途中で明らかにされる。
というわけで少なくとも下巻なんかは読み手が推理することは無くなって、探偵側がどうやって真実にたどりつくか、犯人との戦いには勝てるのかとドキドキハラハラしながら読み続ける形。

この話で一番キモというか、これは途中でセバスチャンが気付くんだけどびっくりした衝撃の事実とは被害者に選ばれる理由だった。うわー、なるほどねー!と読みながら唸った。

犯人側の描写とか気持ち悪いしあんまり興味が持てなかったのでそういう部分は読んでも楽しくないし、こういうタイプの話は後半ダレるなあとちょっと思ったけどこのシリーズが面白いのは犯罪云々もあるけれど主要キャラたちの人物造形、人間模様がいろいろ興味深いからで、シリーズ第1作巻末で衝撃の事実が明かされたけど第2作でもなかなか驚愕の事実が明かされている。

第1作のときから薄々感じていたことだけど…この話に出てくるひとたち、ちょっと異性関係に対する考え方・モラルが変というか低いのが多いよなあ。セバスチャンのことあれこれ言えないじゃん。っていうかセバスチャンが嫌われてるのは女性関係だけじゃなくて性格がアレだからということなんだけど彼のモノローグとかも読んでるせいか、そんな問題あるとは思えないんだけどなー。

個人的に心のオアシスとしているビリーが今回はちょっと心境の変化で頑張る話でもある。つきあっている相手に影響されてるっていうのが気になったけど最後落ち着いたかな?

第1作でイライラさせられた仕事が出来ないのに自尊心だけは高いトーマス・ハラルドソンが何故か第2作でも登場してきっちりいらんことをしまくってくれるのには本当にうぐあああ、という感じだった。著者には気に入られている小説にスパイスを与えてくれる大事なキャラなんでしょうなあ、だって他はみんな仕事出来るひとばっかりだもんね、こういうのがいないと深みが出ないよね、それはわかる、わかるんだけどさあ~…と思ってしまうのだけどアマゾンレビュー見てみたらこういうキャラが好きっていう方もおられるのね。ひとそれぞれだなあと感心してしまった。