2015/02/03

そんなつもりじゃなかったんです THEY THEIR THEM

そんなつもりじゃなかったんです THEY THEIR THEM 角川文庫
KADOKAWA / 角川書店 (2014-12-18)
売り上げランキング: 4,905
kindle版
■鷺沢萠
本書は1992年12月角川書店から『THEY THEIR THEM』というタイトルで出版された単行本を1995年9月文庫化に際して改題したものの電子書籍版である。

放っておくとクリスティばっかり読みそうになるのであえて違うものを。
本当は『過ぐる川、烟る橋』(1999年)を再読したかったのだが電子書籍版には無かった。昔単行本で読んで、そのときは鷺沢さんになんの思い入れもなく、まるで行きずりのように終わってしまったのだが(だから単行本も既に手元に無い)、近年彼女の著作をいくつか読んで「もう一度あれをちゃんと読みたいなあ」と思ったりしているんだけど、うーん、文庫買うしかないのかな(というか調べたら絶版だった、あー)。

で、電子書籍で見つけたこれは手軽そうなエッセイだったので気軽にポチッたわけだが、中身は想像以上に軽かった。
ってゆーかこれ、ほとんど「鷺沢さんの話」じゃなくて「鷺沢さんの友達もしくは知人の身に起こった面白い話」だし!
鷺沢さんには興味があるけど、鷺沢さんのお友達には別になんの興味も無いんデスケド……。

ひとにはそれぞれ「ネタになる話」というのがあると思うのだけど、それを鷺沢さんが聞きだして雑誌「サリダ」に連載して、単行本化したもの。
内容はだから自分の身の回りに居る面白いひとの酒の上の失敗とか間抜けな話とかと同レベルで、こういうのは実地に話していると実に面白くて笑い転げたりするものだけど文章で読んだらさほどでもないというか、別に本書を読んで笑ったりはしなかった。楽しそうなひとだな、とか、これを実際に見聞きしたら笑うだろうなとは思ったけれども。モデルにされた友人たちが「モデル料をよこせ」と冗談で云ったと書いてあるけどそりゃまあ言われても仕方ないくらいご本人の話が無い!「友達はこうだった、そういえばわたしもね」くらいはあってもいいと思うんだけど徹頭徹尾ヒトの話なんだもん。
どうよこのバブルならではのお気楽な仕事っぷりは。まあでもこの「お友達」が自分でエッセイを書いたところで誰もお金を払って読みはしないわけで、そこはやっぱり「鷺沢萠」というネームバリューがモノを言ったのであろう。

文庫版の表紙、挿し絵は安西水丸ということで、電子書籍版でもそれが収録されているのが収穫。