2015/01/31

死者のあやまち 【再読】

死者のあやまち ハヤカワ文庫―クリスティー文庫
早川書房 (2012-08-01)
売り上げランキング: 11,998
kindle版
■アガサ・クリスティ 翻訳:田村隆一
本書は1956年に発表された"Dead Man's Folly"クリスティ48作目の長篇で、エルキュール・ポアロシリーズの第27作目にあたる。

デヴォンシャーのナスクームにあるナス屋敷が舞台。
祭日に、ミステリー作家オリヴァ夫人が筋書きを考えて犯人当てゲームをすることになっていたが、夫人は漠然と違和感と不吉な予感を感じ、ポアロを呼び寄せた。
だが事件は防げず、被害者役だった14歳の少女が本当に殺されてしまう。さらに屋敷の主人の妻も行方不明に…。
オリヴァ婦人が絡んでて日常じゃなくてお祭りで少女が死んじゃう、って『ハロウィーン・パーティ』(1969年)と同じパターンだなあと思いつつ。
これ、昔に読んだことがあるはずなんだけど全然覚えてなかった。最後まで読んで愕然。こ、こんな話だったっけか。思わず冒頭からしばらく読み返してしまった。

★★★以下は未読の方はスルー推奨。
未読の方が読むとミステリーの醍醐味台無しです。
作品を最後まで読み終えた方のみ、お読みください。★★★



犯人については真相を知ってすぐに信じがたく、理解しようといろいろ思い出して考えあわせるになんと身勝手でひどい奴かと、でもそれは殺人犯人にはほぼすべからく云えることであって珍しくはない。
この話の何よりゾッとさせられた点はそのことを知っていて止めようと思えば止められたはずの人物がそれをしなかったという、そこである。
ナゼ、ドーシテ。あれやこれやと考えてしまう。

読了後、他の人の感想をちらちら見ていると、「タイトルのダブルミーニングが」云々、と書いているひとが何人かいたので『死者の過ち』がどう解釈すると二重になるのかなと思ったら、ウィキペディアに載っていた【原題の Folly は、ダブルミーニングとなっており、第一義には日本語タイトル通り「過ち(愚かさ)」を意味するが、同時に装飾目的の華美な建築物を指す。】
なるほどねー。
これはこの小説を最後まで読んだら超・納得! なんともいえん気持ちになる。深いわ。
同じクリスティのこのあいだ読んだ短篇に「グリーンショウ氏の阿房宮」があって、そのときに「Folly」の意味を調べて感心したんだけど、ここでも活きていた…!