2014/12/23

ポアロのクリスマス 【再読】

ポアロのクリスマス (クリスティー文庫)
早川書房 (2012-08-01)
売り上げランキング: 1,156
kindle版
■アガサ・クリスティ 翻訳:村上啓夫
これも再読なのに覚えていなかった。
それどころか、昔デヴィッド・スーシェが演じていたイギリスのLWTのテレビシリーズ「名探偵ポワロ」をNHKで何話か観てたんだけど、その中にこの話もあって、あるシーンがすんごく印象だったのでそこだけは明確に覚えていて、それがトリックの解明するシーンだというのもわかっているんだけど、でも犯人とか細かい話の流れとかはすぱーんと覚えていなかった。
…わたしのノウミソ、大丈夫なのかな?

まあそれはさておき。
今回再読するにあたって、クリスマス時期に読もうとちょっと置いてあった。
でも実際読んでみたらあんまりクリスマスっぽくなかったというかそういう描写はほぼ無かった。まあ、離散していた家族がクリスマスだからというんで生まれた家に戻ってくるというのはクリスマスならではなんだろうけど(日本のお正月みたいだなあと思う)、ツリーも飾りもパーティも無かった。英国の伝統クリスマス・プディングも出てこなかった。ちょっとがっかり。

最初のほうはそれぞれの家族の描写でちょっと鬱陶しい感じなんだけど、物語がはじまっていくとどんどん面白くなっていく。何よりミステリーとして素晴らしい。ぜんぜん犯人わからなかったーーー! クリスティに見事に騙されたーーー! やっぱりクリスティは凄いね、巧いね。

犯人がわかってから犯人の名前を範囲指定して本文中登場シーンを検索かけてたどってみたけど、「わかってて読む」から「ああそうか、このシーンは裏の意味があったんだな」って納得出来るけど知らずに読んだら別に違和感ないんだもんなあ。

ちょっと翻訳が古いかなーとは思った。若い男女がじゃれているシーンで男が女に「赤ちゃん!」って云うんだけどこれって「baby!」でしょ、原語はたぶん。そりゃーbabyは赤ちゃんだけどここは意訳するもんなんじゃないのかなーみたいなね。途中から話が面白くなったので気にならなくなったけど、最初の方は日本語がどうも読みにくくて少し時間がかかってしまった。
調べてみたらこの翻訳者は明治32年生まれだからまあこんなもんなのかなあ。
それに、そもそもクリスティの話っていうのは昔に書かれたものなんだから(原題:Hercule Poirot's Christmas{アメリカ:Murder for christmas}は、1939年に発表された)、あまり現代ふうの翻訳にしないほうがイイのかもしれない。でもなんか「ここって誤訳?」って思っちゃうような意味がわかりにくい箇所があったんで、どうなのかなあ…。

最後、犯人がわかってからの大団円のくだりがあまりにもみんな良いひとになっていて、ちょっと違和感があったけど、もともと何もなければ彼ら彼女らはそういう常識のある人々だったんだろう、でもこの集まりに対して最初っから神経質になっていて、そこに殺人事件があって疑心暗鬼になっていたんだろう、それにお金も絡んだし。そもそも父親のお金にたかって生きてるみたいなのはどうなんだろうとは思ったけど。ジョージとマグダリーンは特に好かんなあ。被害者のじーさんも好きになれなかった。
なんかもっと、クリスマスっぽい平和なイメージの話が読みたかったなあ…(殺人事件を選んでる時点でわたしが間違っているんだけど)。