2014/12/28

半七捕物帳 58~59 【再読】

kindle版
■岡本綺堂
58と59は同じ犯人が絡んでいた。58で犯行に関わっているであろうことはみんなわかっていたんだけど巧く逃げられたのと、証拠が直接は無いことと、その罪だけではそもそも大したものじゃなかったから見逃されたんだね。もともと札付きの悪だったんだけど。で、それが59でやらかすという…。しかも殺人、3人とそれにもうひとつ、ネタバレになるから書けないけど生き物の命すんごく嫌なやり方で奪ってるんだよね。58で捕まえとくべきだったよなあと、架空のお話に対して一瞬考えちゃった。でも現実、そういうことってあるんだろうなあ、いっぱい。

58 菊人形の昔
菊人形は直接関係ないというか。要するに、人がたくさん集まる催しで起こる事件。この時代だから異人さんが絡んでいて、異人さんが絡むとオオゴトになる。後味の悪い話。

59 蟹のお角
58で出てきた異人さんやなんやかやが絡む話。この話の犬の書かれ方が……西洋や、現代みたいに犬って愛されてなかったのかなあ日本では。最後のところで「この以上のことはお角もあらわに申し立てません。役人たちも深く立ち入って詮議をしませんでした。吾八も薄々はその秘密を知っていたらしいのですが、これも知らないと云って押し通してしまいました。わたくしにもお話は出来ません。」と書いてあって、明らかに何かあるらしいのだが、それが何かわからないのが気になる。わかるひとには読んでいれば察せること、ってことなんだろうけど。うーん。こういうのは解説が欲しくなっちゃうなあ。
この話もある程度話したところで「調子に乗っておしゃべりをしていると、あんまり長くなりますから、もうここらで打ち留めにしましょう」と半七が半七老人に戻るんだけど(つまり江戸時代を「いま」として書かれる方式から明治の語りに戻るんだけど)、つまり事件をリアルタイムに追っていく話からいきなり「で、結局犯人はどうなった」という結論に飛ぶわけで、小説の書き手としては随分乱暴というか手抜きというか、そういうふうにちょっと感じないでもない。まあ、ダラダラ冗長になるよりいいんだろうけどね。毎回ちょっとだけ、釈然としない気持ちになる。

この2つはなんかあんまり好きじゃなかったので★無し。