2014/12/19

半七捕物帳 51~57 【再読】

kindle版
■岡本綺堂
51 大森の鶏 ★★★
新春早々の雪の参詣帰り、半七親分と子分は茶屋で鶏に襲い掛かられる婀娜っぽい女に遭遇する。そこから何か因縁があるのではと調べが始まり…。よくここから事件に結びついたなあ。

52 妖狐伝 ★★★
狐のいたずら?いやそんなわけは無いというわけで調査開始。黒船なども絡み、なかなか面白かった。

53 新カチカチ山 ★★★
昔話のタイトルがついているが内容は読めば読むほど犯人の身勝手さに腹がたつ話。被害者が気の毒すぎる。 

54 唐人飴 ★★★
唐人飴売りの風変わりな様子、羅生門に切られた腕が落ちているという事件、なかなか面白かった。半七親分は芝居好きだけど、昔の人はそういうひとが多かったのかな、テレビもラジオも無い時代だしね。しかし「男女」とは…。

55 かむろ蛇 ★★
この犯人も身勝手で(まあたいていの犯罪者はそうだけど)腹立つなあ。かむろ蛇の祟りにまつわる話。迷信も信じすぎると身を滅ぼすね。お嬢さん頑張れ!

56 河豚太鼓 ★★★
人込みで行方不明になった少年。迷子か、神隠しか、誘拐か? 床下のみかんを遠くから見かけてその字に気が付くとか半七親分はすごいなあ、猫の声で天井見るとかはむしろ普通というかそれまで全然地の文にも書いてないんだもんなあ。この話は昔は種痘に「牛になる」という迷信があったという世間話から入っていくのだが、中断して読んだのでそのことを忘れていた。

57 幽霊の観世物 ★★★
蛇女とかろくろ首とかそういう香具師の見せ物かと思ったら幽霊のそれっていまの遊園地にあるお化け屋敷そのもので、おおっと感動。江戸時代からあったんだねえ。でもこの時代のは人間がお化けになってるのは駄目だったんだ。知られると商売に差し支えるんだと。へえ~。でも文章で読んでるだけでもこのお化け屋敷結構怖そう!しかも一人で行くとかわたしは無理だなあ。お化け屋敷だけでも怖いのに、その中で殺人とかめっちゃ怖すぎる!

この7篇は600を超えるものは無かったので、49,50話がたまたま?長かっただけのようだ。でも500前後だったので最初の頃に比べるとやや長めにはなってきている傾向があるのは確か。なかなかハイレベルだったなあ。
男女のもつれ、事件が起こったらまず身内調べとその関係者を調べる、というのが王道のようだ。で、「たまたま」事件のカギにぶつかるということが最近ちょっと減ってきたけど。
このシリーズに言えることとして「読者への挑戦状」的な意識があんまりないというか、「読者にも推理できるように公平にヒントを書く」という意識はあんまり無さそう。話が盛り上がってきたところで「長くなるからこのへんでまとめましょうね」的な展開もちょこちょこある。種明かしの段階で初めて明かされる事実がわりと珍しくないので、そういうもんだと思って読んでいる。にしても、よくいろんな話を考え付くなあ。レベル全体的に高いし。半七親分のキャラが何より、読んでいけばいくほど素晴らしいだよねー。