2014/11/06

今日はぶどうパン

今日はぶどうパン
今日はぶどうパン
posted with amazlet at 14.11.06
平松洋子
プレジデント社
売り上げランキング: 14,998
■平松洋子
小さい書店数件では見つけられなかったので大阪の大きな書店に行った。ここは広い。新刊だけが並べられている棚だけで何列もある。そこと「日本の作家」の「ひ」あたりの棚をざっくり流し見ても気が焦っているためか見つけられなかったので、端末のほうが早いかとPC検索したらその結果が面白かったのでここに印字したものを貼らせてもらう。


えええまさかの実用書!? 平松さんがパンの焼き方を書いた本!? タイトル「今日はぶどうパン」てそういう意味じゃないと思うんだけどまさかのレシピ本なの!? 出版社はプレジデント社かあよく知らないなあ、うーん100%無いとは言い切れないけど…。なんだかおかしくて愉しくなって実用書コーナーに行ってみた。
見つけて手に取ってすぐ、まず中身をぱらぱら見て「パン作りHOW TO」の本かどうかを確かめてしまったのは今回くらいのものだ。
この仕分けした書店員さんは平松洋子を知らんのだろうなあ。表紙も美味しそうなパンの写真だしねえ、などとにやにや。
その後、ゆったりした気分で「なにかイイ本出てないかな」と新刊が並んでいる棚を眺めていたらちゃんとそこにも並べてあった。…わたしったら粗忽者。

さて、内容の感想だ。
実用書ではなく、これは文芸書だよね。食材や料理・日々の食べることに絡めた思索を紡いだエッセイ集だ。
食の雑誌「dancyu」の連載「台所の時間」2010年5月号から2014年6月号掲載分に加筆訂正したもの。
調理方法による味の工夫、地味な食材へのスポット、日常目にする何気ない雑貨、いろんなひとの生活の中の味…。
いつもの平松節に、日置さんのカラー写真が贅沢に載っていて目を奪われる。
「手袋」で新美南吉「てぶくろをかいに」に触れられていて懐かしく思い、「夕焼け」では穂村さんの短歌が引用されていて、にんまり。
それにしても平松さん、揚げ物お好きだなあ。お酒もお好きだなあ。日本酒を嗜まないのでお店で猪口を選ぶとかそういう「文化」があると初めて知った。大きいのを選びたいけど露骨かなと迷うとか、面白いなあ。
タンポポのサラダってなんだか童話みたいだけど、大人の味なんだね。そのへんに生えてるのを食べるのはちょっと躊躇われるかな…。
路地は子どものときとか「探検だっ」って感じで大好きだった、いまも風情ある路地には心惹かれる。いま併読で村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』を読み直しはじめたんだけど、ここにも印象的な「路地」が出てくるのでちょっと「おっ」と思った。
「桜町」の桜は見てみたいなあ、『猫町』風とはそそられるぜ。

目次
[これも味のうち]
乾かす 美味を招く変化 /挟む 知恵と工夫の産物 /噛む いいことずくめ /絞る 手加減ひとつ /切り口 緊張の一瞬 /薄める 濃度を操縦する /浸す 思うさまどっぷりと /赤い 日本人のハレの印 /しずく これも味のうち
[おいしさのタネ]
ちくわ、かまぼこ じんわり粘り強い /すじ 肉の屋台骨 /炒り卵 食卓の太陽 /揚げもの パワースポットのオーラ /ソース、ケチャップ うっすら緊張する /種 神秘の結晶 /パンの耳 ひそかな宝物
干しぶどう 今日はぶどうパン /かたまり 解放のかたち /一升瓶 汲めども尽きぬ泉 /お宝 ちょっとやっかい /みかん 神々しくて、うぶ
[そこにあるもの]
ストロー いつも悩ましい /ひも 生活の友 /ペットボトル マラカスにもなる /手付き あるとなしでは大違い /緩衝材 籾殻がなつかしい /台ふきん とにかく揉み洗い/手袋  ふたつでひとつ /ショーケース この世の曼荼羅図
[だから気になる]
店長 店長はすごいよ /おおきい ちいさい 人生の一大事/爪 感情を刺激する /棘 針以上の痛み /記憶 こころのなかで呼吸している /負ける 達人の必殺技 /満腹 生きていてよかった
[待ちぼうけの丼]
出前 待ちぼうけの丼 /行列 みんなで一致団結 /チラシ 世間というカオス /草 生命の根源 /墨 闇の味 /迷う 人生のY字路 /夕焼け 一瞬の祭事 /路地 街の廊下 /時間待ち それも味のうち /めまい くるくるの恍惚