いま思えば高野作品の中でももっとも一般受けするわかりやすい・入りやすいところから入ったんだな。
好きな高野さんについてなにか書こうとまとめて読み直してみた、いろいろ思うこと、感じることはあるにはあるのだが上手く言葉に出来ない感じで、2002年に「ユリイカ」が高野文子特集をやったときのを引っ張り出してきてこれをまた読みかえしてみたがまー皆さん難しいことを書いてらっしゃる、やっぱり各人それぞれに思い入れみたいなものがあるし、同じ作品でも目の行く場所が重なるポイントもあるけれどそうでないところもあるようで。
というわけで難しいことはこの雑誌をどうぞ。
高野さんご自身の対談とかもあるのでいろいろどういうふうなことを考えて書いてらっしゃるかなどもわかって興味深い。
▼わたしの好きなシーン、はっとしたシーン等。
観音さまが動いてらっしゃる、その手・布地の流れが美しい。はなしの内容の悲しさと女の子や観音さまの飄々とした表情のギャップが何度読んでもやっぱり素直には飲み込めなくてアタマで読まなきゃやってられない。 「ふとん」(『絶対安全剃刀』所収)より
本好きの、本にのめり込むようにして生きている実ッコちゃん、でも本を読む習慣のない周りの人間にはその欲求はただの贅沢・無駄とさえ扱われ、現に彼女の母親はこういう表情をする。その容赦のない目の陰り眉の顰め方口元に込められた不満にシン、としてしまう。 『黄色い本』より
その直前のこのシーン。ラジオで自分の名前がいきなり呼ばれたら本当にびっくりして信じられないくらいどきどきしますよね。
「あぜみちロードにセクシーねえちゃん」(『絶対安全剃刀』所収)より
日本の、少し前のどこにでもあったろう夏、を実に鮮やかに端的に表わしている作品。
「玄関」(『絶対安全剃刀』所収)より
『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』より
▼寡作なので単行本は以下の6点のみ。『るきさん』は単行本・文庫本の2種類あり。
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▼以下、高野文子装丁の本・CDなど画像の一部。
新井素子『グリーン・レクイエム』は中学のときにこの作家にはまっていたので中学か高校で読んでいる、この表紙も覚えている、ああ、高野さんだったんだなあぁ~。
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