2014/10/26

背表紙は歌う

背表紙は歌う (創元推理文庫)
大崎 梢
東京創元社
売り上げランキング: 77,645
■大崎梢
新人書店営業マン・ひつじくん、もとい井辻くん奮闘記第2弾。 いちおう謎が絡むね、という程度にはミステリー。ひとが死んだりなんだりはナシ。


 「ビターな挑戦者
取次会社の強烈なキャラの持ち主、「デビル大越」が登場する。 なお、解説は取次に勤める方で、本書のために著者の取材も受けたらしく、その結果?こういう性格のキャラが出てきたことに対してかなりショックを受けられたらしく、「そんなことないですよ~怖くないですよ~」的なアピールに努めておられるのが面白い。 しかし取次さんまで出てくるなんて、本当にギョーカイマニアック! って感じだ。内容的にはちょっと肩透かしっぽかったかなー。

 「新刊ナイト
新刊を出すことになった人気新人作家はサイン会はNG。でも今回初めて書店挨拶まわりをして、サイン本を作ってくれることになった。そのあとには画家とのトークショーも企画された。ところが、またもや問題発生! このシリーズって「謎」っていうか、社会人ならではの仕事上のトラブルをどうやって解決するか、という話が多いなあ、さっきのもそうだしこれもそう。で、とどのつまりそれって、「人間関係のトラブル」なんだよね……。 せっかくやきもきさせられたのだから、クライマックスを目をそらさずに描写してほしかったなあ~。

 「背表紙は歌う
 なんとも想像心をあおる素敵なタイトルだ。 中身は、読んでいくうちにいろんな人間の複雑な一筋縄ではいかない心情が絡まり合っていて、なかなかビターだった。かつて書店員さんと結婚していた営業さんのお話なんだけど、娘さんがけなげだなあ。おとなはそれぞれの事情で別れちゃう、これは仕方ないんだけど子どもは気の毒だなあと思った。

君とぼくの待機会
大きな賞の候補作が上がった。本書では「東々賞」。とうとう賞。とうとう取れましたね…との引っかけなのかな?現実に当てはめると、書店員や出版社の「候補作に上がっただけでも売り上げに影響、ましてや受賞した日には」という盛り上がりぶりから推して直木賞かな。この受賞者が既に決まっている、というデマが流れて……。 それにしても受賞者インタビューって事前撮りするもんなの??と思ってググったら本当にそうらしい。ひえー。落ちる確率が結構あるなかでそんなの受けなくちゃいけないって凄いしんどそう……。

 「プロモーション・クイズ
新刊が出るとなると、各社は広告活動をする。昨今は、書店員さんに事前にゲラをよんでもらって感想コメントをよせてもらうというのが流行している。人気の書店員さんはいろんなところから頼まれるから、場合によっては断られてしまう場合も。そんななか、該当作品の中に解答の出てこないクイズが載っているものがあり、ある書店員さんがそれを解いたばかりか、推薦コメントと一緒に新たな問題を出してきた。ところがそれらの問題をひつじくんや周りのひとはなかなか解けなくて……。 大崎さんのもうひとつの人気シリーズ、成風堂書店が登場する楽しい作品。