2014/10/21

幸福な食卓 【再読】

幸福な食卓 (講談社文庫)
幸福な食卓 (講談社文庫)
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瀬尾 まいこ
講談社
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■瀬尾まいこ
……………………そう。再読なんだよなあ。がっくし。
というのは、いま現在の本棚にこれが無いからというのもあったんだけど、読んだことスカーッと忘れていて、本屋さんでふつうにまた買っちゃって、初めて読む本として読みはじめてしまったんである。頭のすんごい隅っこのほうで「これ、読んだっけかなあ?」とすこーしだけランプがチカチカしてたんだけど、ま、読んでないっしょ、と思っちゃって。
んで、そんだけならまだしも、読みはじめてずーーーっと「あれ、これ読んだことあるワ」と気づかなかったんである、222頁を読むまで!
222頁でこの小説における結構な大きなショッキングな出来事があるのでそれ読んで流石に「あれ?」と思って、でも全然覚えてなかったのは一緒だから、そのあとも真面目に読んで、最後まで読んでからこのブログ検索したら読んでやんのー2007年6月30日に!
ぐはあっ。ヤラレタあああ。おかしーと思ったんだよ、どっかでチカチカランプ光ってたんだよー……。

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で、まあ気を取り直して感想なんだが。
大枠は、前回読んだときの感想と同じだった。ので、今回読んで違ったことを書いておきたい。

前回は、終盤に起こる出来事に対するショックが大きすぎて、がっかりしてしまって、残念だったという感情でいっぱいになってしまったんだけど、今回はそれだけでもう全部が台無し!とかそこまでは思わなかった。まあショックではあったんだけどね。この話はあそこに持っていくことは予定済みで書かれた話だったんだなと妙に納得してしまったというか。2回目だからかな。でも前回読んだこと忘却の彼方だったんだからほぼ初読みみたいなもんだしね。

で、今回結構思ってしまったのが、主人公に対して「あなた、そんなに大浦君のこと好きだったかしら?」という、まあミもフタも無いことで、んーでも、222頁に至るまでの主人公の彼に対する感情と、その後の彼への感情の溢れさせ方になんだか戸惑っちゃって。
上手く言えないけど……この主人公は大浦君が仲良しの友達だったとしても、こういうふうになっちゃうんじゃないかなって思った。つまり、「彼氏を」失ったから、ぼろぼろに悲しんでるんじゃなくて、「失った」ことに対する悲しみ。主体は自分。んでこの主人公だけがそうなんじゃなくて、わたしも多分そうなんだろうし……「喪失」はやっぱり、デカいよ、いろんな意味で。

ああ、なんか自分でもなに云ってんだ?って訳わからんこと書いてしまってるなあ。別に大浦君と主人公の恋愛否定してるとか薄いとかそういうこと云ってるわけじゃないってことは強調しておきたい、あと主人公が自己愛だとかそういうんでもなく。
ええとつまり、この小説のテーマはなんなのかな?ってこと、それは決して「恋愛」じゃないよね、もっと大きな、広い意味でのつながりとかひととの関係とかそういうのを書いてるよね、ってこと。
そうやって丁寧に丁寧に編み上げてきたうえで、ずとんと。
爆弾を投下してくるわけだ。

やってくれるわね。ショック受けないほうがおかしいでしょうよ。ふつうに「失恋」とかじゃないところがもうね。そもそも中学生だった主人公が5年前に目にした父と母の事件だってえげつなすぎたしね。ほのぼの系のようで、あちこちに出てくる設定が妙に鋭い切っ先でもって切りかかってくる感じなんだよなあ。

あと、主人公が真っ白に燃え尽きている状態の時に両親や兄がいろいろ心から慰めてくれているのが読んでいてもすごくしんどくて、気持ちはありがたいんだけど、でも正直すんごくウザくて、主人公がキレずに対応しているので凄いなあと思った。わたしここまで大人な対応出来ないわ。