■平松洋子
『よい香りのする皿』をそぞろ読み(レシピ集なので日置さんの写真を堪能)し、続けてエッセイ集『おとなの味』を再読。
このひとは最初知った時は「フード・ジャーナリスト」とか紹介に書いてあってそうかと思ったけど、やっぱり根本は文章書きのひとだなあとしみじみ思った。料理ネタが多いのは事実だけど。
文章の書き方とかが、やっぱり文学好き本好き読書好きの書く文章だなあと。料理好き、美味しいもの好き、それを文章で表すことに長けている。比較的若いころに書かれたものは多少文章が浮いているけど、ある程度書く量が増えてからはスタイルが確立してきたみたいだ。まあ、あんまりにも「形式」「様式美」にのっとりすぎじゃないか、と思う部分がないわけじゃないけど。そのへんを自然に美しい文章にするテクニックも年々上手くなってきていると思うし(すみません上からな言い草で。ナニサマって感じデスね)。
「おとなの味」はいま現在味わう、おとなだからこそわかる「味わい」も書いてあるけれど、同時に郷愁色もけっこう強くて、子どもの頃の日常口にしていたものとか、台所のお手伝いとか、そういうのがしっかりそのひとの後年に影響しているんだなあということをしみじみ考えた。
ちゃんとした(?)感想は初読みのときに書いたのでこのへんで。