2014/08/10

貧乏お嬢様、メイドになる

貧乏お嬢さま、メイドになる (コージーブックス)
リース ボウエン
原書房
売り上げランキング: 21,285

■リース・ボウエン 翻訳:古川奈々子
アマゾンのおすすめで別の作品が上がってきてちょっと興味がわいたのだが、調べたらそれはシリーズの2作目だったのでまず1作目を読むことにした。
コージー・ブックスというレーベル、初めてだ。大きめの書店でもちょっと探しにくかった。原書房。

「コージー」を推しているんだし、正直ミステリーとしてはB級で、若い女性が主人公、ほのぼの系で恋愛が絡んでる軽い読み物なんだろうと最初から全然期待せずに読んだが、思ったよりちゃんとした本格ミステリーだったので楽しめた。むしろ恋愛が全然萌えなかったなあ。いや、いちおうラブシーン的な物はあるんだけど相手の何がいいのかわからないというか主人公に同化・共感できないまま読んだからなのか「ふーん」としか思えなくて。まあ、ハンサムだとは書いてあったけどまさかそれだけとは!

主人公は21歳のジョージー。彼女は英国王族ウィンザー家の親戚にしてスコットランドのラノク公爵令嬢。王位継承順位は34番目。
身分はすんごく良い彼女だけど、ラノク公爵家の家計は火の車。いじわるな兄嫁のさしがねか、お小遣いもカットされてしまった。そしてまったく意に沿わない縁談を押し付けられそうになって……。

1932年が舞台なので、お嬢様育ちの彼女がひとりで生活しようとすると石炭を暖炉に運び込まないといけないとか、そういう時代。ミステリーだと思って読んでいるので石炭室から死体でも出てくるんじゃないかと構えて読んでいたんだけどそれは無く、なんと171頁までミステリーらしき事件はなんにも起こらないのだった。どうなってるんだこの話、と思っていたんだけれど殺人死体が出てきてからはようやく話が動き出す。しかも濡れ衣を着せられるのを防ぐためにがんばる話かと思ったらそれだけじゃなく、どうやらジョージー自身も殺人者に狙われているのでは、という展開になり……。

原題は"Her Royal Spyness"であることからもわかるように、王妃様が登場してジョージーに頼みごとをしたりする。このメアリ王妃様がなかなかチャーミングでこの方のファンになりそう。あと、主人公のもと警察官のおじいちゃんもとっても素敵。女優のお母様もなかなか良い。
古き良きイギリスの日常生活とかがたくさん出てくるのでミステリーじゃない部分も楽しめる。ほんと、もーちょっと恋愛面でドキドキときめくことができたら言うことなかったのにな。
あ、あと「メイド」に関しては「本物のメイドさん」からは程遠い労働しか彼女はしないので、お飾り程度の設定かなあと。

それにしても本文によればジョージーはけっこう美人の部類に入るようなのだけれど、この表紙イラストじゃあ育ちの悪い色黒のそばかす娘、しかも育ちの良い貴族のお嬢様にはとても見えない。
タイトルとレーベルと表紙で損してる気がちょっとしちゃうなあ。