2014/07/07

モンガイカンの美術館 【4度目くらい? 久しぶりの再読】

モンガイカンの美術館 (朝日文庫)
南 伸坊
朝日新聞社
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■南伸坊
本書は1983年(昭和58)、情報センター出版局から刊行されたものの1997年(平成9)5月に朝日新聞社から出た文庫版である。現在は絶版。
「まえがき」によれば「この本にまとめられた文章のほとんどは、美術雑誌『みづゑ』の昭和53年~56年に連載された『モンガイカンノビジュツカン』という、エッセイともヒョーロンともつかない」ものだとある。
何故文庫化に14年も時間がかかったかというのは「あとがき」によれば要は中に乗せる図版の許可とかそういうのがめちゃくちゃ大変だから、何度もそれ絡みで沙汰やみになったことが原因だとか。雑誌掲載は展覧会の宣伝になるからいいけど、単行本や文庫に載せるというとすんなりいかないらしい。本書の中に図版がないページがいくつかあるのは「そうした事情です。」とのこと。

わたしは本書を1998年くらいに読んだらしく、当時はモナリザに髭を落書きした絵に「芸術は冗談である」とコピーの付いた帯がかかっていたのだがそれはどこかに行ってしまった。
当時の感想メモ。
【まず見た目から重さを想像して本を手に取ると、拍子抜けするほど軽い。紙質のせいか。
内容はシンボー流美術ロンである。なかなかに面白いし、美術シロートにはタメになる本なのである。
ともすれば固く気障に難しく抽象的になりがちな美術評論なのだが、この本はあえてそれを避けることを目的として連載されたものだから、ふつーに絵について思うところを書いてある感じなのだ。わかりやすいというか、親しみやすい。とっつきやすいというか。著者が南伸坊さんだから、と思って買ったのだが、正解だった。
図版も沢山入っていて、楽しい。中にはカラーもあって、びっくりした。ラッキーなかんじ。また、たまにシンボーさんのゲイジュツも登場するのが愉快だ。
まんまるいモナリザを昔絵葉書で見つけて、やーこんなおもしろい絵があるんだ、めずらしい、と思って買ったのだが、この本にもちゃんと載っていてボテロさんはどうやら有名な人なのだった。私が無知なだけだったんである。
この本を読んでイヴ・クラインさんという御仁がいらっしゃると知ってすごく気に入った。芸術だ。人間が既に。自分の絵(自画像)ばっかり描いて展示しちゃう、というのもおもしろーい、と喜んでしまう。迫力が違うっていうか。凄いもんだ。】

……最初そのままコピペしたんだけどいろいろ文体が恥ずかしすぎて最低限の手直しだけした。感想の内容は大筋変わらない。シンボーさんの最初期の文体は70年代のノリがあって、それに引き摺られたというのもあるかな。当時、赤瀬川原平とかそのへんを気に入ってはまっていた。


目次(・・・の後に主に扱われている芸術家名、テーマをメモ代わりに記す)
はじめに
芸術はUFOである・・・マルセル・デュシャン
芸術はウソである・・・ピカソ
芸術は冗談である・・・ダダ
芸術はキチガイである・・・シュルレアリスム(本文表記)
芸術はリクツである・・・モンドリアン
芸術はヤミクモである・・・未来派
芸術はタベモノである・・・抽象絵画
芸術はウンコである・・・芸術って?(こぼれた墨とかペンキとか)
芸術はエンギモノである・・・ポップアート
芸術は女である・・・ミニマルアート
芸術はなんでもないものである・・・コンセプチュアル・アート
フランス美術、栄光の大売出し・・・フランス美術栄光の300年展
ドーセぼくたち畜生道・・・パロディ魔・エロ展
岸田劉生は冬瓜を描く・・・岸田劉生の自画像、麗子像
荒川修作は東洋思想か・・・荒川修作批判
東郷はグレートか?・・・東郷青児遺作展
モジリアニはマストロヤンニだ・・・モンパルナスの哀愁展(モジリアニ)
コップの底はバクハツだ!・・・現代の神話・岡本太郎の世界展
イヴ・クラインもエライ・・・非物質のリアリスト、イヴ・クラインについての考察
不思議のメガネ・・・浮世絵と印象派の画家たち展、ロートレックと歌麿展
ブリジットは不思議のキューを出す・・・ブリジット・ライリー
山口百恵はマンダラである・・・平岡正明、杉浦康平
梅原龍三郎を破いた人・・・絵画の問題展 Art Today '80
チャイナタウンとバンブーチルドレン
人形はなぜ面白いのか・・・からくり人形の世界展
姓は堀内、名は正和・・・山口長男 堀内正和展
怪人二十面相とモンゴル絵画・・・モンゴル秘蔵絵画展
ゲンバクに効く芸術・・・ポンピドゥ・センター/20世紀の美術展
スケベな絵・・・ヌード
芸術家は神様です・・・イタリア・ルネッサンス美術展
ビュッフェ氏は忙しかった・・・ベルナール・ビュッフェ全石版画展
タイトルで勝負・・・現代芸術・篠原有司男
版画は二枚目だ・・・世界の現代版画25年展
写真の見方・・・シルクロード25年 並河萬里写真展
マチスはNOWい・・・アンリ・マチス
ハッキリいって酒井抱一がキライだ・・・酒井抱一と江戸琳派展
カーワイーイ・・・フェルナンド・ボテロ
エッシャーなんて不思議じゃない・・・ふしぎな不思議な絵・エッシャー展
ケシキってなんだろう?・・・東山魁夷
青春なんてキライダ!!・・・夭折の天才画家・関根正二と村山槐多展
横尾忠則はマスをかく・・・横尾忠則個展
あとがき