2014/05/28

いい感じの石ころを拾いに

いい感じの石ころを拾いに
宮田 珠己
河出書房新社
売り上げランキング: 3,939

■宮田珠己
紀伊国屋ネットで発注、2014年05月22日に手元に届いた。奥付では20日印刷30日第一刷発行となっている。
宮田大兄の石ころ拾いはそのエッセイファンにはお馴染みだが、本書はどーんと石ころの話だけに特化したマニアック(?)なエッセイ。日本のあちこちに出かけてはいくけれども観光めいたことがあまりにも書かれていないので紀行文とは言い難い。裏表紙の帯に「どうして世間は石に冷たいのか?」とあるけど、まあ、興味のないひとには「だってただの石ころじゃないか」ということになるんだろうなあ。
初出はウェブ連載(KAWADE WEB MAGAZINE 2012.9-2013.10)。

価値のある石より、感じのいい石を拾おう」というコンセプト。海に行っても川に行っても見つめるのはほぼ足元のみ。徹底しているのだ。
写真はそれなりに載っているが、モノクロページもあるし、もうちょっとカラー写真が欲しいなあという印象。

わたしは小さいころから海辺に行くときれいな貝殻とか珊瑚礁のカケラなどを拾い集めるというのはやっていて、でも海自体そんなにいかない。去年たまたま行ったところで貝があんまりなくてきれいな石を拾ってきたのは宮田大兄の影響もあるのかな。石拾いより貝拾いのほうがどうもメジャーっぽい。ビーチコーミングなんていうのもあるけどこれも海辺にしょっちゅう行けるひとならではの楽しみではないのかなあなどと思う。

石拾いの世界には小石じゃなくてそれなりの大きさのを拾ってきて磨いて床の間に飾るタイプや、鉱石など貴重な石を集めるタイプもあるらしい。鉱石はお店で売ってるぐらいだしね。わたしも誕生石がトルコ石なので1つお守り代わりに持ってたりするけどそれと海辺で「いいなあ」と思って拾ってきた石と何が違うのかと考えてみるとあんまり違いは無いような気もする。どちらもなんか大切だし、こころなしか不思議なパワーをもらえそうな(気のせい、というのが冷静な意見だろうけどまあお守りってそういうもんだよね)。
でも宮田大兄は石を拾ってそれをパワーストーンとして大事にするとかそういう発想は無いみたい。なんかいいから拾う、蒐集したい、でもそれをライフワークにするほどじゃなく、みたいな「ゆるさ」を強調しておられる。

この本を読むと海辺に石ころ拾いに行きたくなるけど近畿圏にめぼしい場所はどうも無いらしく、容易ではない。結局、旅行に行ったりする余裕が、そして観光地に行っても水辺で石ばっかり拾っているという時間的余裕と家族の理解がなければできそうにない、けっこうゼイタクな趣味のような気がする。

目次
ヒスイよりもいい感じの石ころを拾いに ――糸魚川
メノウコレクター山田英春さんに会いに行く
東京ミネラルショーを見に行く
伊豆・御前崎石拾い行
アフリカ専門旅行会社スタッフ・久世さんの石
『愛石』編集長立畑さんに聞く
北九州石拾い行
石ころ拾いの先達渡辺一夫さんに会いに行く
大洗の坂本さん
石ころの聖地“津軽”巡礼
北海道石拾いだけの旅

石拾いスポットMAP
あとがき

なお、本書に石拾いというか「メノウコレクター」として登場する山田英春さんというかたの本職は装丁家で、本書の装丁(ブックデザイン)は山田英春さんなのである。にやり。こういうのって、良いね。