2014/05/25

チャーチル閣下の秘書

チャーチル閣下の秘書 (創元推理文庫)
スーザン・イーリア・マクニール
東京創元社
売り上げランキング: 84,842

■スーザン・イーリア・マクニール 翻訳:圷香織
いわゆる“アマゾンがしつこくおすすめしてくる本”で、2013年6月に創元推理から出たもの。原書は2012年。

解説に著者についての情報がほぼ書いてくれていなかったので検索してみたら彼女のホームページがあった。いや、読みながら「これはアメリカとイギリス、どっちの作家でどっちから出版されたんだろう」と気になったので。アメリカの作家のようだ。ふーん。
何故気になったかというと、舞台はイギリスで、主人公はイギリス人でイギリス生まれなんだけど育ちがアメリカなので、作品中で「ヤンキー」とかその訛りをからかわれたり、第二次大戦中の話でまだアメリカが参戦していないときなもんでそれを皮肉られたりするシーンがけっこう出てくるもんで。

表紙のイラストや女性作家であることから「コージーかな? ロマンスのあるミステリー、で、チャーチルっていう実在の首相の名前を出してるんだから歴史もある程度ふまえたやつ?」と想定していて、まあだいたいそんな感じだったが、ミステリーっていうよりはアクションもの? で、スパイも絡んでる。諜報とか暗号とか全然大したレベルじゃないけど。主人公が数学が得意というか専門なので、それで活躍するという筋立て。

読みはじめてしばらくして「まあB級かなあ」と思って、最後まで覆されなかった、イギリス好きとしてはエンタメとしてそこそこ楽しめる。ウィンストン・チャーチルについてあんまり知らなかったんだけど、しょっちゅうごみ箱を隣の部屋まで蹴飛ばして怒っていたりして、ずいぶん短気なひとだったんだなあ。最初はびっくりしたけど、主人公との会話とか読んでると最後の方とかすんごくチャーミング。上司としてはまあ、かわいいほうじゃないでしょーか?

ロマンス要素はそれほど出てこないというか、意外性ゼロでセオリー通りの展開。ゲイのデイヴィッドが良かったな。ほかの登場人物もわりと個性的なんだけど、もう少し奥行きが欲しかったかも。
なお、本作はシリーズ第1作らしく、第2作は『エリザベス王女の家庭教師』。2014年3月既刊。どうしようかなあ。