2014/05/11

哀しい予感

哀しい予感 (幻冬舎文庫)
哀しい予感 (幻冬舎文庫)
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吉本 ばなな
幻冬舎
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■吉本ばなな
……たぶん、初読み。
1988年12月角川書店から刊行され、1991年9月角川文庫に収録されたものが、2006年12月15日に幻冬舎文庫から出されたもの。
なんでいまごろ今更読んでんのかってハナシなんだけど、このあいだふと同著者の『ジュージュー』を読んで、このひとの昔のを読んで確かめたくなったので。

巻末には「あとがき」「文庫版あとがき」「幻冬舎文庫版あとがき」と3つも載っている。さらに石原正康というひとの解説があって、この石原氏というのは編集者らしいんだけどもそれよりも「幻冬舎文庫版あとがき」に「石原正康さんと、この小説を書いた頃、共に暮らしていました。」と書いてあり、「あら、事実婚の相手ってこのかた?」と思いきや、いま(2006年)時点ではお互いに違うパートナーと新しい生活をしているそうで、お互いがお互いのイマの相手を「かけ値なくとても深く大好き」なんだそうで……。
はァ、そうですかさいですかちょっとその感覚わかりませんわ、という感じ。
本編の小説よりもこっちのほうがよっぽど「小説的」というか衝撃的だった。
「ザ・吉本ばなな」って感じだなあ。

小説の感想は、20年以上前のベストセラーについてイマサラ云々したくないんだけど、まあ、1991年に角川文庫になったくらいで読んでいれば読み手であるわたしも20歳以上若かったわけで、その当時であれば主人公と年齢も近いし、また違う素直な読み方を出来たかもな、という気が読みながらしきりにした、いやでも、こういう話はやっぱりあんまりシンパシー感じなかったかも。
「世界にひとりだけの特別な、かけがえのないわたし」
というのが臆面もなく綴られているのがこの小説だと思う。乙女のキラキラ思考&自意識過剰ぶりを眼前に突き付けられるようなものだから、それに共感するか、遠い目で眺めてしまうか、恥ずかしくなるか、そういうことかなあ。

書き方によれば不健全なタダレタ話になる変わった話になるところが吉本ばななワールドの「不思議ちゃんパワー」でなんだかメルヘンチックなキレイな少女小説のように完成しているところなんかがハマればドはまりするゆえんかな、なんて考えながら読んだ。
幼いころからずっと一緒に姉と弟として育ったふたりが恋愛関係に陥るというのは倫理的にも感情的にもひたすら違和感なんだけど、このふたりは心の底ではずっと「姉弟」じゃないことを感知していたんだという解釈をすれば、なんとか。