2014/02/08

ビブリア古書堂の事件手帖5 ~ 栞子さんと繋がりの時~

ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
三上 延
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-01-24)
売り上げランキング: 19

■三上延
面白かった!
前回は長篇スタイルだったけど、第5巻はまた短編集っぽかったから、就寝前にちょっとだけ……と思って読み始めたらなかなかやめることが出来ず困ってしまった。さすがに第2話の断章まで読んだところで本を伏せたが。

マニアックな古書薀蓄満載のこのシリーズ、守備範囲が狭いわたしには読んだことが無いどころか「えっ、そんな本があったの?」というような作品が登場することもしばしばなのだが、今回は、プロローグでブローティガンの『愛のゆくえ』が出てきて「おお、既読作品が冒頭から登場とは嬉しいなあ」とにんまりしてしまった。まあ、ビブリアに出てくるのは新潮文庫版で、わたしが読んだのは早川epi文庫だけど…。

ε(*´・∀・`)з゙
以下は、未読の方はスルー推奨★☆☆

ネタバレまではいかないけど、ミステリーは白紙で読むのがオススメなので。
(っ´∀`)っΨ( ̄∇ ̄)Ψビブリア5巻最後まで読んだひとだけにしてね (。・ω・)ノ(っ´∀`)っ

まさか、それ以上に、プロローグにミステリ好きを喜ばせるちょっとした仕掛けがしてあったとはそのときのわたしは知るよしも無いのであった!(最後まで読んで冒頭を何気なく読み返したときは一瞬、「えっ?あれっ?間違ってる?」って焦ってしまったけど、あっそうか! と気付いてニヤリ。愉しい!)。

1巻から4巻は、全部五浦君視点で書かれていたんだけど、第5巻はメインの章以外は章によって視点が変わる。たとえば、断章Ⅲは栞子さん視点で、無口な彼女のモノローグが読めるというのは非常に面白い、興味深い。

それにしても五浦君に告白されて返事を2ヵ月近くも待たせた理由があれだなんて……あの母親の娘である自分を自分で信じられなかった、んーまあ、わからんでもないけど。でもぶっちゃけ、プロポーズされたわけでもないのに先走りすぎっていうか、一人で考え込みすぎの面無きにしもあらずじゃないかなあ、と年長者(おばはん)のアタクシなんかはちょっとだけ思っちゃった、まあ、若いし真面目だし、いい加減なことしたくないってのはわかるんだけどね。栞子さん、いくら自分が「どっかへ行っちゃわない」でも相手もしくは自分自身が心変わりすることがあるんだよ~。結婚するなら責任ともなうけどただの「恋愛」にそこまでのシバリはどうなのかしら。
本当は、踏み込んだ関係になるのが怖かったんでしょう?
初めて出来た、大事な相手だから、理解してくれるひとだから、なおさら。

今回登場する作品は、ブローティガン『愛のゆくえ』、『彷書月間』、手塚治虫『ブラック・ジャック』、寺山修二『われに五月を』、小沼丹『黒いハンカチ』、木津豊太郎『詩集 普通の鶏』。

『彷書月間』は別に古本者じゃないんだけど、本書を読んだら素晴らしい雑誌のようで、欲しくなってしまった。

『ブラック・ジャック』は文庫版で読んだクチだけど、あの手塚治虫が人気に翳りがあったとか、同じ作品でも単行本によって収録順とか作品が違って、いまでは読めない葬り去られた作品もあるとか、へええって感心しながら読んだ。同じ作品を愛読していたふたりが結婚したから本棚に同じ本が何冊も重複している、ってとってもステキね。「何故その住宅事情で片方処分しなかったのか」って途中は思ったけど、最後まで読んだら納得というか、愛だなあというか、……すごーくロマンチストだねこの著者、と思った(おばはん的思考2回目)。

寺山修二の著作は、ほかにも『家出のすすめ』などにも触れられる。このあいだ平松さんのエッセイに出てきたなあ。
第3話の後味が爽やかでほっとした。
黒いハンカチ』は良いよね。栞子さんも好きなんだあ。創元推理文庫で気軽に読めるぞ。

それにしてもこのお母さん、娘をなんだと思ってるのかね? っていうか他人の人格とか尊厳とかわきまえてんのかね?
なに考えてるのかよくわからんひとだ。

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