2014/02/16

ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺5

ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5 (笑酔亭梅寿謎解噺) (集英社文庫)
田中 啓文
集英社 (2013-12-13)
売り上げランキング: 54,657

■田中啓文
知らない間に新刊が出ていた。帯に「大人気シリーズ完結編」とあって、トサカ頭の元ヤンキー落語家・笑酔亭梅駆こと、竜二の成長譚も第5巻で終わりかあ、としみじみ。

短篇集だけど、みんな同じ主人公で、その日常を描いてあるというシリーズものなので、長篇を読む感じ。あいかわらずの面白さで続けて読んでしまう、読みやすいというのもあるけど、やっぱりひとつ話読むと次も読みたくなる魅力があるのだ。

演目は以下の7つ。
堀川 上燗屋 二番煎じ 花筏 狸の化寺 子ほめ 地獄八景亡者戯

最終巻ということで、最後は少し感動気味というか、うまく盛り上げてあったが、それにしても梅雨のキャラクターがぶれていてよくわからん。本気で嫌なやつのように書いてあるけど時々実はいいやつ?キャラになって、でもやっぱり器の小さい男である。話の都合で動かしてるようにも見えるなあ。

最後まで読んで、本書のタイトルを書き写しながら、あれ?っと思った。「謎解噺」って……この第5巻に謎解きなんかあったかなあ。まあ、もともと謎解きの部分はどうでもいいレベルのシリーズだったのでいいんだけど。
むしろ、タイトルにこだわらず、落語の世界に集中して書いてあって、良かったし。
でも最後まで、なんで竜二がうまいのかとか才能があるのかとかはよく伝わってこなかったなあ。お父さんの話は噺としては感動物だけど、最後の最後に帳尻合わせなのか、いきなりエラいもんブッこんできたなあと思ったのも確か。

それにしてもこれ、別に最終巻である必要ないでしょう。続けられるでしょう。人気が無いのかなあ?
だってバイクの事故で死にかけて復活……って、大阪の漫才師でまんまそういうひといるけど、むしろそこからのほうが全国的に超売れっ子になってるぜ! 竜二もこれからじゃないの?(タレントとしての売れる、にはこの第5巻で懲りただろうけど。次は落語家として!)

せっかく世界が出来てて、可愛い弟子も出来たのにもったいないよー!!

解説は俳優の松尾貴史さん。