2014/02/12

微視的お宝鑑定団

微視的(ちまちま)お宝鑑定団 (文春文庫)
東海林 さだお
文藝春秋 (2012-04-10)
売り上げランキング: 42,720

■東海林さだお
「微視的」には「ちまちま」というルビが振られている。
東海林さんの本は初めてではないが、前に読んだのは椎名(誠)さんとの共著だった(『ビールうぐうぐ対談』)のは覚えていて、単独著作はもしかして無かったかも。あとは最近読んだ平松(洋子)さんの著作の中で対談されていたのが2回。
食べ物のエッセイをたくさん書かれていて、どこから手をつける?って感じだけど、本書を選んだのは「食べ物」じゃなくて「モノ」絡みのエッセイっぽくて、「あら、これは他とちょっと違うのね」と思ったのと、「モノ」が好きなので萌えるかなと思ったからだった。

実際読んでみたら、本書は大きく二部に分けることが出来て、結論からいうと「モノ」絡みのエッセイは9頁から54頁までで終わってしまうのだが、さらに言うと「モノ」絡みのエッセイは思ったほど面白くなかったというかいっさい「萌え」なかったので、そして54頁以降のいつもの(って言っても他を知らんので想像なんだが)調子のエッセイの方が面白かったので、結果オーライ、ということになったのであった。
だって東海林さんが愛でる台所用品とかそういうの、ナニがそんなに楽しいのか嬉しいのか一切共感出来なかったんだもんなあ。お玉とかお櫃とか、実用して愛用してるっていうならともかく、そうじゃなくて仕舞ってあってたまに取り出してきて眺めたり擦ったりして……というのが。変なひと、っていうか家事しないひとの発想だなあと。あと、写真ならまだしも東海林さんのイラストじゃね(イエ別に味のある絵でいいじゃないか、と思いマスけど「萌え」には遠いんデスよね)。

面白かったのは、「脱力リーグ マスターズリーグ」「清貧電鉄おさかな旅行」「大島でくさい!うまい!のぶらり旅」「めざせお大尽!昼間っから芸者遊び」「飲んだぞ日本一の居酒屋で」

「台所お宝鑑定団」もダメだったけど「微視的生活入門」も全然なにいってんだかわかんなかったっす。パンツに片足つっこんだ状態で新聞取りに行ってそのまんまの格好で新聞読むのが良いとかもう、意味不明っす。パンツくらいちゃんと履け!と叫びたくなる。1937年生まれで、この単行本が出たのが2009年だから、72歳くらい、70過ぎたおじいさんがパンツ片足ぶんだけ履いてウロウロしたり座り込んで新聞読んでる図はヒトコトで言うと「小汚い」なんだけど、東海林さだおはこれをこう書く。
  「パンツを半分はいて、というか、片っぽうだけ引っかけて新聞を読んでいる人、いいじゃないの、と思う。
  ちょっと身を持ちくずした気分、と同時にちょっと小粋な気分。
  尻っぱしょり的な雰囲気もあり、いなせというのかな、そんな気分になる。
  このポーズでときどき小首をかしげたり、頷いたりしている自分、好きです。」

あほかあああ!!!!!


いやでも、面白いところはほんとに面白かったので。
「脱力リーグ マスターズリーグ」はマスターズリーグってどんなのかを紹介してあって良かったし、「清貧電鉄おさかな旅行」は銚子電鉄というたった6キロに10駅もあるという赤字沿線が紹介してあって面白かったし、「大島でくさい!うまい!のぶらり旅」はプロペラ機の様子が詳細に書いてあるのとくさや定食美味しそうで面白かったし、「めざせお大尽!昼間っから芸者遊び」は芸者あそびツアーに参加してみたレポートが面白かったし、「飲んだぞ日本一の居酒屋で」は平松さんのエッセイにも出てきた名古屋の大甚本店に「今夜軽くいっぱい」しに行く企画が面白かった。