2014/01/12

本の花

本の花
本の花
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平松 洋子
本の雑誌社
売り上げランキング: 79,422

■平松洋子
本の雑誌社から平松さんの本が出た!なんだかミーハーに嬉しい。「おしまいに」によれば担当したのは宮里キャンドル潤さんらしい。「本の雑誌」がらみの初出は少しだけなんだけど。宮里さん、グッジョブ! 

本書はきちんとしたまっとうな書評集だけど、それでもなお本好きのエッセイとしても読めるのは文章にタマシイのこもった技がこめられているゆえ。導入から「そう展開するのか」とわくわくするような文章がたくさんあって、なんだかちょっと向田邦子のそれを読んでいる感じを思い出したりもした。
それにしても平松さん、本好きだなあ。趣味が良いなあ。料理関係もあるけど、それだけにとどまらない守備範囲の広さ。『野蛮な読書』よりもさらりとしたおしゃれな雰囲気の本が多かったような印象がある。
ほほう、そんな本が。面白そう。というのがけっこうあって、嬉しい。読んでいるとナニゲに「当時わたしは寺山修司さんと交流があり」とか書いてあって「なにっ!?どういう関係?もしやつきあってたの?」とイロメキたち、年齢差を確認してどうやらそれはないかなと思ったり(平松さん19歳、寺山氏40過ぎなので無いわけじゃないだろうけど)、平松さんと小川(洋子)さんが対談している情報が(対談記事は非常に残念なことに本書には収録されていない)あって、「おおそういえば同郷(岡山市と倉敷市)で年齢も近いよね確か(確認したら4つ違い)!」と興奮したり。
本書を読んで感じたことは、読書範囲もそうだけど、実際の人間関係のカオの広さというか人脈の深さというか。
ヒトに歴史ありって感じだなあ~カッコいい50代だなあとつくづく憧れます。颯爽としてるよね。平松さんの食器棚の写真は見たことがあるけれど、本棚も見てみたい。ザツゼンとしているのかしら、シャキーンと美しく著者別に揃っているのかしら。

目次から、書籍タイトルと著者名のみ転記しました。一文ごとのタイトルはここでは省略させていただきます。
それにしても、多い!
文書ファイルに書き写しながら、「誰だよこんな作業しようと決めたの(自分しかいない)」と3回くらいは思いました。そもそも最初に躊躇したんですけどね。でもこの作品のセレクト、並びの素晴らしいセンスの良さこそ、本書の魅力、平松さんの目利きの素晴らしさだと確信しているので。読んだことのあるもの、作家名だけ知っているものもあったけれど、まったく知らないものもたくさんあり、読書の海の広さにあらためて亡羊とするおもい。
(既読本だけ文字色を変えてみたけど少な!もっと読まなきゃっ。ちなみに書き写したおかげで、誤植を2つ見つけたょ。吉田さんの名前が目次では抜けてることと、「青鞜」の時代の』の位置が間違ってるんだょ!レア!←違)

章タイトルごとに。
食の本棚
『嘘つき卵』向田邦子*『ジュージュー』よしもとばなな*『開店休業』吉本隆明、ハルノ宵子*『愛の山田うどん「廻ってくれ、俺の頭上で!!」』北尾トロ、えのきどいちろう*『エキストラバージンの嘘と真実 スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界』トム・ミューラー*『やわらかなレタス』江國香織*『異国美味帖』塚本邦夫*『絶倫食』小泉武夫*『キムチの文化史 朝鮮半島のキムチ・日本のキムチ』佐々木道雄*『飼い喰い 三匹の豚とわたし』内澤旬子*『ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅』マーク・シャツカー*『牛を屠る』佐川光晴*『食べることも愛することも、耕すことから始まる』クリスティン・キンボール*『聡明な女は料理がうまい』桐島洋子*『京都の中華』姜尚美*『この夢の出来ばえ 片岡義男写真集』片岡義男*『ちょっとそばでも 大衆そば・立ち食いそばの系譜』坂崎仁紀*『東京いつもの喫茶店 散歩の途中にホットケーキ』泉麻人*『作家のおやつ』コロナ・ブックス編集部編*『新版 娘につたえる私の味』辰巳浜子、辰巳芳子*『ナポリへの道』片岡義男*『石井好子のヨーロッパ家庭料理』石井好子*『喰いたい放題』色川武大*『食物漫遊記』種村季弘*『鱧の皮』上司小剣*『神楽坂 茶粥の記』矢田津世子*『湯葉 青磁砧』芝木好子*『台所のおと』幸田文*『春情蛸の足』田辺聖子*『飲食男女』久世光彦*『風の食いもの』池部良*『対談 美酒について』吉行淳之介、開高健*『天下一品』小島政二郎*『居酒屋百名山』太田和彦

物語の本棚
『暗い旅』倉橋由美子*『昨日のように遠い日 少女少年小説選』柴田元幸編*『いやいやえん』中川李枝子*『ひそやかな花園』角田光代*『パスタマシーンの幽霊』川上弘美*『噂の女』奥田英朗*『最終目的地』ピーター・キャメロン*『想像ラジオ』いとうせいこう*『さきちゃんたちの夜』よしもとばなな*『いつも彼らはどこかに』小川洋子*『最果てアーケード』小川洋子*『未見坂』堀江敏幸*『梨の花咲く町で』森内俊雄*『木挽町月光夜咄』吉田篤弘*『脊梁山脈』乙川優三郎*『そんな日の雨傘に』ヴィルヘルム・ゲナツィーノ*『祖母の手帳』ミレーナ・アグス*『陽子の一日』南木佳士*『雪と珊瑚と』梨木香歩*『ある日』いしいしんじ*『右の心臓』佐野洋子*『火山のふもとで』松家仁之*『初夏の色』橋本治*『岸辺の旅』湯本香樹実*『野を駆ける光』虫明亜呂無*『ノンちゃん雲に乗る』石井桃子*『西瓜糖の日々』リチャード・ブローティガン*『硝子戸の中』夏目漱石*『みちのくの人形たち』深沢七郎*『鎌鼬』細江英公*『内田百閒全集』内田百閒*『JAMJAM日記』殿山康司*『春泥 三の酉』久保田万太郎*『山家集』西行*『安閑園の食卓』辛永清

暮らしの本棚
『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』辛酸なめ子*『オレって老人?』南伸坊*『戸越銀座でつかまえて』星野博美*『自転車ぎこぎこ』伊藤礼*『スバらしきバス』平田俊子*『科学以前の心』中谷宇吉郎*『日本の空をみつめて 気象予報と人生』倉嶋厚*『釜ヶ崎語彙集1972-1973』寺島珠雄編著*『新宿、わたしの解放区』佐々木美智子、岩本茂之*『呑めば、都』マイク・モラスキー*『風来記 わが昭和史(1)青春の巻』保阪正康*『原由美子の仕事 1970→』原由美子*『相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』西谷真理子編*『建築とは何か 藤森照信の言葉』藤森照信*『金平糖の味』白洲正子*『森山大道、写真を語る』森山大道*『加藤嶺夫写真全集 昭和の東京1新宿区』加藤嶺夫*『立ち上がるヒロシマ1952』岩波書店編集部編*『こども 牛腸茂雄写真』牛腸茂雄*『レトロスペクティブ』ロベール・ドアノー*『ピュリツァー賞受賞写真全記録』ハル・ビュエル*『国民のコトバ』高橋源一郎*『熟成する物語たち』鴻巣友季子*『日本語を使う日々』吉田戦車*『「おじさん」的思考』内田樹*『山下清の放浪地図 昭和の日本をぶらりぶらり』山下浩監修*『山下清作品集』山下浩監修*『治りませんように べてるの家のいま』斉藤道雄*『長い道』宮﨑かづゑ*『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』川内有緒*『はるまき日記 偏愛的育児エッセイ』瀧波ユカリ*『つげ義春の温泉』つげ義春*『土の話』小泉武夫・文 黒田征太郎・絵*『共に在りて』千葉望*『明治<美人>論 メディアは女性をどう変えたか』佐伯順子*『安井かずみがいた時代』島﨑今日子*『日本の美女』コロナ・ブックス編集部編*『ミシンと日本の近代』アンドルー・ゴードン*『『青鞜』の冒険女が集まって雑誌をつくるということ』森まゆみ*『民族衣装を着なかったアイヌ 北の女たちから伝えられたこと』瀧口夕美*『羆撃ち』久保俊治


その他、「買って、読んで」の章でもさらにたくさんの本が出てくるのですが、読書日記形式ですので書評というかんじとはちょっと違いますし、一冊に対するコメントも短いため、その書き写しは省略させていただきます。

書評以外の記事。
・酒飲みの秘かな愉しみ(鼎談)太田和彦、大竹聡、平松洋子
・夏の本(読書日記風):書き下ろし
・秋の本(同上):書き下ろし
・再読するということ(対談)鴻巣友季子、平松洋子:トークイベントより
・おしまいに
・初出一覧(「朝日新聞」「読売新聞」「波」「文學界」「東京人」「サンデー毎日」「本の雑誌」「北海道新聞」「新潮」「銀座百点」「山陽新聞」「文藝春秋」など。2009年~2013年頃)
初出の原稿に加筆したものを収録しています、との一文あり。