2013/04/20

ステーキを下町で

ステーキを下町で
ステーキを下町で
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平松 洋子 谷口 ジロー
文藝春秋
売り上げランキング: 6,914

■平松洋子 画・谷口ジロー
平松さんと谷口ジローとのコラボ第2弾である。
第1弾は、いろいろ迷って買わないうちに第2弾が出た。これも少し躊躇したけど、えーい平松さんの食べ物エッセイはテッパンなのだ読むべしなのだ!と購入。

なにがわたしを躊躇わせたかというと谷口ジローの挿絵代わりの挿し漫画。わたし、このひとの代表作のひとつである『孤独のグルメ』は途中で挫折したクチなのである。
今回も、最初は正視できなかったのだが、平松さんの文章はやっぱり素晴らしくて、それを読み込んでいくうちにちょこちょこ出てくる漫画にもちらちら視線をやって、だんだん慣れた。食べるときに吹き出しで「あぐ」とか「ずるっ」とか書いちゃうクセも苦手だなあ。絵は巧いと思うんだけど。

いつも美味しいものをみつけるのが上手くて、誉めるのが上手な平松さん、ちょっと気張ったお店、こだわりの名店もよくご存じだけど、本書はわりにリーズナブルなのが多いかな、だって「餃子の王将」が目次にあるんだもん。ええっ、大衆チェーン店がこういうグルメ本に採り上げられちゃうってアリ!? と意外に思ったけど、読んで納得。本書のコンセプトには合ってるわ。びっくりしたのは平松さん、王将「はじめて」だそうで。まあ、男性向けのチェーン店だもんねえ。グルメの女性は機会がなきゃ入らないか。身近なお店が上手に誉められていて、さすがだなあ、良いところを探して書くというスタンスは企画もあるけどやはりお人柄なんだろうなと。

そこに美味しいものがあるならば、北は帯広・根室、南は那覇・鹿児島、どこへだって飛んでいく。そのバイタリティ、行動力、好奇心の強さには頭が下がる。食べ物への溢れる愛がもたらすのだろうか。本書の企画じゃないけど、韓国の本場のホンオフェを食べたいその情熱一心で全羅南道木浦というところまでわざわざ旅をして、という記述があったりする。なんというチャレンジャー。

本書のおしながきを写してみる。一緒に出てきた店も記して、【 】内におおまかな所在地を書いていかにあちこち行かれているか、そのフットワークの軽さを示してみたい(なお、本には細かい住所、電話番号も掲載されている)。食べてみたい度も示してみた。

梅さんの豚丼
 【帯広市】元祖豚丼のぱんちょう★★、はげ天(本店)、ランチョ・エルパソ

黒豚ラブ
 【鹿児島市】味のとんかつ 丸一、黒豚料理 あぢもり、分家 無邪気★

津軽の夜はいがめんち
 【弘前市】成田専蔵珈琲店、しまや、居酒屋士紋★★★、レストラン山崎

朝の大衆酒場、夜はスナック
 【東京都北区赤羽】まるます家 総本店、八起、立ち飲み いこい本店

ステーキを下町で
 【東京都葛飾区】宇ち”多 【東京都中央区月島】韓灯 【東京都墨田区東向島】レストラン カタヤマ★

てぃーあんだの味
 【那覇市】すずらん食堂、COFFEE potohoto、べんり屋、うりずん、御殿山★★

はじめての「餃子の王将」
 【千代田区】水道橋店、【新宿区】高田馬場店、【横浜市】桜木町店、【京都市中京区】四条大宮店

根室のさんまにむせび泣き
 【根室市】俺ん家、辰政、【釧路市】和食・拉麺 北斗

ぐっと噛みしめる
 二東マッコリ(閉店・上野)、【渋谷区恵比寿】レストラン アラジン

鮟鱇がもっくもっく
 【青森県下北郡風間浦村】あさの食堂、さが旅館

赤目四十八瀧、運命のうどん
 【京都市左京区】日の出うどん、【京都市東山区】おかる、権兵衛、【京都市中京区】やまびこ、【京都市左京区】てしま

三陸の味、北リアス線に乗って
 【岩手県久慈市】三陸リアス亭★★★、【岩手県宮古市】魚元★、まんぷく食堂★★、すがた

ただいま東京駅、発車時刻三十分前
 【東京駅構内】グランスタ、サウスコート「駅キュート東京」

取材したぜ! 食べたぜ! という満腹感満載のきらきら贅沢な一冊。お財布にもやさしく、身も心もあたたまる(!?)。