2013/03/17

私は猫ストーカー [完全版]

私は猫ストーカー - 完全版 (中公文庫)
浅生 ハルミン
中央公論新社 (2013-01-23)
売り上げランキング: 27,360

■浅生ハルミン
著者の名前がユニークで頭のどこかに引っかかっていたのだが、先日、新聞の書評欄で本書が紹介されていたので興味を持って読んでみた。
[完全版]というのは、本書は同タイトルの単行本と、その後の『帰ってきた猫ストーカー』を合本・再編集したものだからだそうだ。

ちらりと中身を確かめて、ふだん町で見かける猫さんたちはいったいふだんどういう行動をしてどこを移動しているのか、その生態がわかるかな、と思ったのだが、実際ちゃんと読んでみたらそこまでは詳しくない、追究の手はとってもぬるいので少々がっかりした。
この程度でストーカーとか云うなよな~ま~別にいいけど~。刺激的なキャッチ―な言葉だから安易に使ったんだろうけど本当に被害に遭ったひとからしたら無神経なんじゃないかなー。本書を読んで、この著者に反感とかはいっさい抱かなくて、常識的な、猫好きの良いひとだとしか思わなかったから余計そう思う。

本書の実質は「私の猫観察日記」程度。超お行儀が良い。
尾行するからストーカーだって言いたいのかなー。でもずっとじゃないし。深く追い求めないし。さらりとしていて軽やかなので、全然ふつうの範疇だと思う。どうせならとことん!「おお、こいつは真正の猫好き変態で猫のためならどこへでも着いていくんだなっ」という記録を読みたかった。

ちなみにわたしは猫好きではないけど、本書を読んだら町ですれ違う猫さんたちに前より更に親しみがわくようになった。今日も、道の脇の溝をいそいそと歩いている猫さんがいて、並んで歩きつつ上から見ていたら、ある時点で(やっと)何者か(=わたし)の視線に気づいて「ハッ!」として顔を上げたのが面白かった。そういやふだんボス然としているのにわたしがたこ焼き持っていい匂いさせて歩いていたらすっごい甘い声で鳴いてきれいにおすわりしておねだりしてきたのもいたなあ。

それにしても野良猫に餌をあげるためにわざわざ用意して毎日配っているひととかが日本中(いや世界中)にたくさんいるのにびっくりした。そこまでの手間と労力はかけるけどでも飼うことは出来ないのだ。住宅事情とか、いろいろあるんだろう。そしてこの行為が誉められるものではないことを、誰よりもやってるご本人が重々承知の上、というのが複雑なところ。
ほんとはみんな飼い猫になれたら一番良いんだけどね。難しいよね。