2013/03/25

あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します


■菅野彰・文 立花実枝子・イラスト+4コマ漫画
ウェンディさんからお借りした。タイトルを見た瞬間「おおっ!面白そう!」と食いついてしまった。菅野さんというのはどっかで聞いた、と思ったら『海馬が耳から駆けてゆく』のひと。ウィングス文庫。あんまりそこらの本屋さんじゃ見かけないような……しかしよく見つけてくるよね、こういう本を。2007年に単行本は出ていて、今回文庫版だけのおまけも追加されているらしい。

本書は(ある意味命をかけた)突撃ルポである。
帯には「グルメの対極エッセイ!!」とある。そのたたずまいを見て「これもう潰れてるのかな?」「やってるのかやってないのかどっちなんだろー」と迷うような、「営業中」と書いてあってもそのさびれた雰囲気からとても入るのに勇気が要るような、そういう飲食店に実際行って食べてみてそれをレポートしてある。
テレビ番組で「きたなトラン」というコーナーを数回観たことがあるが、そんな感じかなー?とか思って読みはじめたら、違った。
いや違ったっていうか……レベルがダンチ(段違い)! しかも悪いほうに!!

なんでこんな店に営業許可出てんねんー( ̄Д ̄;) 保健所どーしたー!!!
と読みながら何度もつっこまずにはいられなかった。

料理が不味いとかね、口に合わないとかね、どうしても嫌いな味とかね、ゲテモノだとかね、そういうのはまあ人間ひとそれぞれだしあると思うんスよ。AさんにはダメだったけどBさんにとっては美味しいの、だからお店はそれなりにやっていけてるの、みたいなね。
でも、本書で「死んでる」判定されたお店っていうのは……害虫(頭文字Gのヤツだ)が食べてるそばを何匹もウロウロしてたり、古くて異臭がしている油を使いまわした揚げ物だったり、具材が到底その料理のセオリーからはかけ離れていてぐちゃぐちゃだったり、「いつから漬けてあったんだ」「いつから冷凍庫にあったんだ」という疑問を抱かざるを得ないものだったり(賞味期限とか消費期限は守られてるんだろうか?)。
マジか、有り得んだろうというレベルのお店が何店も出てきて。
当然それを食した著者とイラストレーター、編集さんたちは体調を悪くしたり「オートリバース(マーライオン状態)」したり寝込まれたり。
すごい身体張ってんなー売れないお笑い芸人みたいなことリアルでやってるけどこのひとたち大丈夫なの。と心配になってくるレベル。しかも誰が言い出したか、いつのまにか「完食ルール」が出来ており、苦痛を抑え込んで食べ続けるその姿を雄姿と言わずしてなんと言ふ!!

もちろん外観はアレだけど実際勇気をもって食べてみたら意外に美味しかった!というお店や「普通に食べられて全然問題なし」というお店もあって、そういうお店には改めて取材である旨を明かし、雑誌掲載許可を得られた場合は実名が紹介されたりしている(雑誌名は「ウンポコ」とかいったらしい、休刊らしい、スペイン語で「少し」という意味らしいが日本語として語呂が悪すぎだろう)。

この本の文章を書いている菅野さんと漫画家でイラストを描いている立花さんはどうやらプライベートでも友人関係にあるらしく、彼女たちのふだんの友達トーク・ツッコミトークなどのノリがそのまま文章化されている感じなので正直読んでいて首をひねりたくなるものが無いと云ったら嘘になる。というか正直文章も4コマも三流である(何様)。しかしそういうカタいことは気にせずに素直に内容(ネタ・企画)が読んで面白いのだ。キャラも立っていて、自虐も誇張もおおいに混ぜてあるとは思うがそれにしてもこの「ダメっぷり」はどうだろうと思う。立花さんは早稲田大学出身の才媛らしいがそれを吹き飛ばす強烈な天然だし。何度も吹き出したり笑い出したりしてしまった。あはは。これ、電車の中では読めないね。
声優の岩田光央さんが飛び入りで登場される回があり、そのキャラ(王子様の仮面をかぶったオオカミ)や発言も楽しかった。

ヤバイ店は当然伏字になっていたり仮名になっていたりするのだが、「レストランと○こ」というのは千葉にあるということや他にも情報が載っていたのでためしにキーワードをいくつか入れて検索してみたらあっさり見つかった。写真や「レストラン」の「ス」の棒が取れて「レフトラン」になっていることなど、挿絵や文章とばっちり一緒。「ぐるナビ」とかにも載ってて、そこの複数あるコメントはどれも本書に書かれている内容と一致しなくて普通に食べられる店になってるんだけど……果たして事実はどっちなの!?