2012/09/04

f植物園の巣穴 【再読】

f植物園の巣穴
f植物園の巣穴
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梨木 香歩
朝日新聞出版
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■梨木香歩
面白かった。なにかおっとりしたものを読みたく、この作品を読み返してみたら、記憶にあったよりもいろんな物語の不思議要素がたくさんあって、へんてこりんな出来事とかいっぱいで、再読だけど枝葉末節は忘れていることが多かったため、非常に楽しむことが出来た。

まず、語り口が良い。
時代設定とか明らかじゃないんだけど、たぶん一昔前の、おっとりした時代を思わせる、主人公の物言いだとか、あれやこれやで。幼いころの記憶に「ねえや」が普通にいたり、「草履」が日常に使われていたりする。
そして物語としても大変に興味深い。
主人公の、夢、あるいは無意識の海にどんどんもぐっていくような。お話の中では歩いて「下りて」いくわけだが。羊水みたいなのも出てくるし。フロイト的な、心理学的に意味合いを求めてしまいたくなるような、ファンタジー。
最後の締めもあたたかく、こころに染み入る。

装丁・装画も素晴らしく美しいので、先日文庫が出たが、単行本はカバーを外してもいと雅であることよ。
詳しい感想は一読目のほうに。