2012/08/27

わらの女

わらの女 【新版】 (創元推理文庫)
カトリーヌ・アルレー
東京創元社
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■カトリーヌ・アルレー 翻訳;安堂信也
ミステリーの古典的名作として名高く、傑作とされているのは知っていたがまだ読んでいなかった。このあいだ書店に行ったら桜庭一樹の推薦コメントがついた帯がかかって目立つ位置に置いてあったので、いい機会だからと読んでみた。

かなり古い翻訳なので(登場人物の会話とかが古いし地の分もぎこちない)、奥付を確認したら1927年生まれの人が翻訳していて、創元推理文庫の最初の版は1964年。表紙のほうにもどって原著の発行年を見たら1956年。

注意◆結論を先に言うと、わたし個人としては、本書をひとにおすすめしたくはありません。そのうえで、以下はごく個人的な記録のために独断と偏見に満ちた感想を綴りますので、この小説が好きで大事に思われている方はどうぞ読まないでいただきたく存じます。
また、内容にふれ、ネタバレ的なことも書いているのでご了承ください。


まあしかし名作なんだから、スジさえ良ければまあ。と思い直して中盤あたりまでは真面目に読んでいったがそのへんで起こるひとつの出来事、そしてそのあとに続く主人公の受難があまりにも当初の予想どおりの展開で、不愉快で、読んでいて全然サスペンスを感じずしかも面白くなかったのでたまりかねてそこからいったん流し読みで最後までいって、どんでん返しとかあればまた中盤から丁寧に読みかえそう、と思っていたら最後までなんにも改善されず、なんの驚きもない話で、逆にびっくりした。
これのどこが傑作なの。
中盤以降、主人公の女性がじわじわと追い詰められていくさまがサスペンスで、真犯人が徹底して情をみせないのが珍しかったのかな。
しかしミステリーとして意外性がちっとも感じられず、だらだらと長い予定調和の主人公の心理描写とか読まされても不愉快なだけでサスペンスでもなんでもない。
古い話なので昔はびっくりされたのだろう、というのと、あとこういうシチュエーションとかストーリーが好きだというひとには受けるんだろうな、と想像するほかなかった。
ラストの展開がどんでん返しで驚く、らしいのだがミステリーにあまり慣れていない初心者ならともかく、昨今のいろんなタイプの小説を読みなれている読者だったら別にああそういうハナシなのか、というレベルじゃないのか。勧善懲悪になっていないことが意外、って言われてもねぇ。
多くの人が認める名作らしいけれど、残念ながら、わたしは少しも楽しむことが出来なかった。
残念。