2012/08/13

読むのが怖い!Z ――日本一わがままなブックガイド

読むのが怖い!Z―日本一わがままなブックガイド
北上 次郎 大森 望
ロッキングオン
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■北上次郎・大森望
不覚。
先月7月に本書は出版されていたらしいのだが、その情報をつい先日まで知らなかった。つれづれなるままにネットサーフィンをしていたらもう1つの対談式書評集の新しいのがやはり久々に出ていることを知り、詳細をチェックして(うーんあんまりそそられないし今回はお見送り、かなぁ)いたらそのレビューの中に本書の出版をほのめかす記述があり、あわてて検索したらヒットしたのだ。ぎゃー。こっちは出てたら速攻買うのに!(ア○ゾンのオススメにちいっっっとも上がってこないんだもん、てゆーか新刊刊行告知マジでしてほしい)。

業界の大御所・もうヲレは読みたいものしか読まんと言い切るスナフキンのような書評家・北上次郎御大(=目黒考二)と新潮の編集者から書評家になったという理知派・おなかのなかはマックロクロスケ・大森望がお互いの言うことはちっとも聞かず(?)、自分のオススメをわあわあ主張しててとっても楽しい「書評漫才」第3弾がついに出た!
ご本人たちは大真面目なので、「漫才」と言われると心外みたいだけど(北上氏の巻末コメント参照)、いやー、真面目だから面白いんだよね。読んでいると自然に笑っちゃう。おふたりのキャラクターは「本の雑誌」とかでひしひしと感じ取っているから、その信頼感と不信感(笑)のバランスとかね。北上氏ががんがん本音で攻めてる一方でそこはそれ、オトナの気配りというかいろいろあって理性的な発言を表面上は貫く大森氏の図とか。お、面白すぎる……。

今回のは2008年春号から2012年春号までの連載分(掲載誌「SIGHT」は季刊)。
対象となった書籍はどーんと全169冊!
前巻までと同様、毎回「編集部選」「北上選」「大森選」を各3冊ずつ、計9冊をそれぞれが読んで評価点を付け、それをもとに対談するという形式(冬号は「ブック・オブ・ザ・イヤー」を選ぶので両人5冊ずつ)。ただ、この評価点はあくまで目安程度に見て、それぞれの書評家がなにを話すかをじっくり読むのが肝要。

わたしの読書傾向が最新話題作を追っかけるのからどんどん外れていっているので、既読作品は正直めちゃくちゃ少なかったが、さすがにすべて売れた作品ばかりなので、著者名やタイトルは知っているものがほとんどで、したがってその書評を読むのは大変に興味深かったし、「次に読みたい本」を探すのにうってつけであった。

未読本のはネタバレしないように書いてくれてあるので、大丈夫。あと、自分で雰囲気的に「白紙で読みたい」と思ったらそのへんはナナメに読んでおくとかの調整をすればよい。

毎回読んで思うけど、本当にプロの書評家さんというのはいろんな本を、きちんと追いかけて読んでらっしゃるなあということ。あと、作家の内情とかも詳しいので実はこれには実体験があって……とかいう情報も書いてあったりして、勉強になった。

表紙は「本の雑誌」でお馴染みの沢野画伯。
「Z」だからって最終回じゃないよねえ? 雑誌ではまだ連載続いてるみたいだし。でも「Z」の次はどうするんだろう?

『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』
『読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編』