2008/04/07

花が咲く頃いた君と

花が咲く頃いた君と
花が咲く頃いた君と
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豊島 ミホ
双葉社
売り上げランキング: 71915

■豊島ミホ
あー綺麗なタイトルだ……。
桜の花の描かれたぽわんとした印象の装丁でくるまれた本書は4つの、ちょっと苦しくて切なくて美しい少女たちの物語が収められている。ほんっと、上手くなったなあ。

「サマバケ96」
中学3年生のまだ恋に目覚めず同性の友情が生活の中心になっているっていうあの感じがすごくうまい。こういう、地味だけどお勉強はできるちょっと世間をナナメにすかしているでも大人しい少女、って豊島さんご本人のイメージに近い。それだけにリアル。

「コスモスと逃亡者」
『日傘のおにいさん』系の話というか……。主人公の女の子の言動と心の中と、相手の男の言動とを俯瞰して読む立場の読者ならではの味わいがあって、すごく切なくて苦しくて、でも愛おしい感じが溢れていて良い。

「椿の葉に雪の積もる音がする」
★★★★★、と付けたくなった。いまどきは珍しいカタチなんじゃないかと思うけど、両親と弟とおじいちゃんで暮らしている中学2年生の女の子の話。ひとつひとつの展開が、ちょっとした台詞が、すべてが上手いなあ……と唸らせられた。電車の中で読んだので、感情を抑えるのに苦労したよ。
椿の使い方がとっても効果的。

「僕と桜と五つの春」
これは少年視点なんだけど、主人公のキャラは通じるものがあるかな。彼の恋した少女はとっても美しくて尖っていて、少年の愛する、廃屋跡にひっそりと咲いている桜のように見えた――。
それにしてもこの名前でこのキャラ設定だとどうしても現実のアイドルのあの御方の顔を思い浮かべてしまうなぁ(笑)。